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教卓の中も何も入ってなくて、最後に残ったのは掃除用具入れで中を開けると箒が3〜4本入ってた。
1本拝借して先端部を折って棒だけにする。
ただの棒切れでも、あるとないのでは気持ちが大分違う。
心強いな、この棒切れ様は。



少し頼もしいお供を握りしめ、嫌な音は聞こえなくなったし、ひとまず外に出てみようと扉をスライドさせたが、開くことなく、すぐガタッと音を立てただけで開かなかった。
一瞬だけ閉じ込められてる…とか考えたけどよく見ると、教室の中から開け閉め出来るようになっていたので普通に開けた。
ガチャンと音が響いたので心臓が止まりそうになったが、変化という変化は何もなかったのでホッとする。
一度大きく深呼吸をしてみた。


貴『…よし』


もう一度扉をスライドさせると建て付けが悪いらしくガタッガタッと音を立てながら開いた。
でもこれって誰かが私をこの教室に入れて、鍵を掛けたって事だよね…。
頭の片隅にそんな事を考えた。



顔だけを覗かせて左右を確認してみれば長い廊下が見えた。
何か危険だと感じるものは無いと、念入りに確認してからふと下を見た。


貴『っ!』


思わず大きな声が出そうになったので両手で口を押さえた。
廊下には赤い液体が引き伸ばされたような…。
いや、なんとなく想像が出来る。



血の付いた【何か】が引きずられていたんだろう。



そこから先を想像すると吐き気に襲われそうだったから無理矢理に違うことを考えようとした。
だけど心にそんな余裕もなく結局は考えてしまってその場に蹲る。
乱れる呼吸をなんとか整えようと、心臓辺りを押さえながらゆっくり呼吸をする。


貴『ほんと、なんなのここ…』


ジワリと生理的な涙が出て、心の中で何度も「これは夢だ」と繰り返した。
だからと言って夢が覚めるわけでもなく、少ししてから廊下に出た。



この引きずり具合から異常なモノは右の方に行ったんだと思う。
なら考えて私は左に進もう。
一歩足を踏み出せばゾワリと背筋に寒気が走った。な、何?
勢いよく振り向くがその先には何もない。
そう思ったが何かが違うと思いふと目線だけを上に向ける。


貴『っ!!』


天井にへばりついてこちらを凝視している女の人がいた。
人間、本当に恐怖を体験した時「キャー」なんて叫ぶ暇はないと思う…。とか考えられる辺り、私はまだ冷静なのかもしれない。
女の人は腰から下がなくて重力に従ってボタボタと血が床へと垂れ落ちて血溜まりを作っていた。

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サイガ(プロフ) - 睡-スイ-さん» コメントありがとうございます。頑張って修正しますのでお楽しみにお待ちいただければと思います。 (2019年11月7日 22時) (レス) id: 9c794300d7 (このIDを非表示/違反報告)
睡-スイ- - サイガ様の脱出シリーズ、書作の更新時からずっと楽しく拝見させていただいてます!修正などって大変ですよね、再構成から入りますし…ゆっくり、サイガ様のペースで構いませんので更新、完成を楽しみにしています!! (2019年11月7日 11時) (レス) id: 471e0d1ff2 (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - LiLiToさん» コメントありがとうございます。今修正を行っているため鍵付きにしております。 (2019年10月4日 7時) (レス) id: 9c794300d7 (このIDを非表示/違反報告)
LiLiTo(プロフ) - この作品の2と3が鍵付きなのですが解除パスってないのでしょうか? (2019年10月3日 5時) (レス) id: 41e08bc415 (このIDを非表示/違反報告)
CHIHO(プロフ) - 全然大丈夫です!ゆるりと気長に待ってます!! (2019年8月30日 9時) (レス) id: 6e1910104e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サイガ | 作成日時:2015年7月20日 22時

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