脱出ゲーム【憎悪と悲壮の校舎】

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高「まだ痛みますよね？何か必要なことあります？」


貴『ありがとう。大丈夫だから』


「大丈夫なわけねーだろ。俺らだってこんなことになって大丈夫なわけねーんだし」


突然劉君でも和成でもない声が。
振り向けば金髪の男子がいた。


劉「福井、女の子には優しくアル。そして月城は無理良くないアル」


彼が福井君か…。
それもそうかと思うけど他人に心配されなくてもいい。
ありがとうとお礼だけ言えればよかったんだが、何故かここで3人が話始めたので黙って話を聞いていた。


赤「集合！」


しばらくすると赤司君が声を上げ、全員が集合する。
そして、誰も何も言ってないのに円を組んで座った。
さすがバスケ部だな。
同じ部活動ならミーティングする形が分かるのか、と内心感動していた。
同じ体育会系の部活だけどキレが違う。
すぐには動けない私を気遣ってか私の周りに集まるのはいいけど背が大きい人ばかりで迫力がすごい。


赤「それじゃあ月城さん、お願いします」


貴『あ、ああ…』


いや、これはちょっと話にくい。
注目されて話すのは苦手だ。


「なんや話しにくいみたいやで？人数多くて圧倒されとるやん」


助け船を出してくれたのはメガネの男子。
名前は知らないが助かった。
ありがとうございます。


「どういたしまして。ほな、各学校の代表だけ残って話聞くか」


あれ？今返事を返した？
口に出してお礼言ったかな？


「出しとらんけど自分の言いたいことは大体分かるで？」


なんだか胡散臭い笑顔を向けられる。


「桐皇の3年、今吉や。よろしゅうな」


貴『…はあ』


「俺は陽泉の福井だ。よろしくな」


「海常の小堀です」


「秀徳高校3年、大坪だ」


「誠凛2年の伊月です」


「霧崎の2年。古橋」


貴『…洛山3年、月城』


そんなすぐに覚えられないし、覚えるつもりはないけどとりあえず頷く。
残ったメンバーがそれぞれ自己紹介をしてくれたところで私からの報告が始まる。


貴『赤司君にも話したけど、あの古い日記は私の小学時代のクラスメート達の交換日記。おそらくここは私が通っていた小学校』


赤「高尾君から受け取ったのだがこれは貴女が見つけたものですね？」


赤司君が赤いカード見せてくれる。
そこには…


《才能が憎い、天才が憎い。俺はこんなに努力しているのに》


と書かれたカード。
確かに私が見つけたのを和成に渡したものだ。

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