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黛「怪我のほとんどは切り傷だ。腕と足はそこまで酷くなかったが右肩と背中の出血が酷い。まだ血が止まってないみたいだぞ」
背中の方は確認出来ないが、右肩から血が滲み包帯を赤く染め上げていた。
貧血で倒れるかもしれないし、むやみやたらに動かない方がいいだろうな。
貴『…1つ聞くけど…この包帯誰が巻いた?』
背中を切られたから制服はボロボロになってしまったのだろう。
だから私は誰かのジャージを羽織っているのかな?
それにどうやら下着は付けてはいるがシャツは着ていないみたいだ。
きっと誰かには見られたんだろう。
こんな時にそんなことを気にしている場合ではないのかもしれないが、やはりそこは私も女だし気になる。
黛「…言っても知らねぇだろ。言っとくが俺じゃねぇ」
貴『…そう』
まあ、ここには女の子が1人も見当たらないから予想はしてたが見られたか…。
恥ずかしくなって黙って胸元を隠した。
黛「…包帯、どうする?」
自分で替えるかって話だろうか?
しかし1人では包帯を替えるのは難しい。
もう誰に巻いてもらっても一緒か…。
血で汚れているし新しくした方が良さそうだ。
貴『巻くの、黛が手伝ってくれるの?』
黛「…実渕呼んでくる」
実渕が誰かわからないが、黛ではダメなのだろうか?
私から離れる黛の背をぼんやり見て、そこから少し視線を外せばとある人と目が合った。
貴『あっ』
どうやら彼は無事に体育館に着けたみたいだ。
相手も目が合った瞬間にホッとした顔をしてくれた。
そして走ってこちらまで来てくれた。
高「良かったですよ!目が覚めて!」
目が合った相手、それは高尾和成君で、彼は私を心配してくれていたらしい。
貴『仲間と合流出来て良かったね』
高「はい!…えーと」
そういえばあの時、名前を伝える必要性を感じなかったから教えてなかったな。
今も本当は必要性を感じないが、もうなんでもいいや。
でも、黛から聞いてないのか?
貴『私の名前は月城A』
高「じゃあ月城さん?Aさん?」
貴『好きにすればいいよ』
高「じゃあAさんで!」
別に名前の呼び方にこだわりなんて持ってない。
ただ私が呼ばれていることさえわかればそれでいい。
隣では傷の具合とかいろいろ聞いてくる高尾和成君。
さっきいた場所に戻ればいいのに。
そういえば彼はいつの間に敬語で話すようになったのだろうか?
あの時は警戒心持ってたから砕けた感じだったのかな?
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サイガ(プロフ) - 睡-スイ-さん» コメントありがとうございます。頑張って修正しますのでお楽しみにお待ちいただければと思います。 (2019年11月7日 22時) (レス) id: 9c794300d7 (このIDを非表示/違反報告)
睡-スイ- - サイガ様の脱出シリーズ、書作の更新時からずっと楽しく拝見させていただいてます!修正などって大変ですよね、再構成から入りますし…ゆっくり、サイガ様のペースで構いませんので更新、完成を楽しみにしています!! (2019年11月7日 11時) (レス) id: 471e0d1ff2 (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - LiLiToさん» コメントありがとうございます。今修正を行っているため鍵付きにしております。 (2019年10月4日 7時) (レス) id: 9c794300d7 (このIDを非表示/違反報告)
LiLiTo(プロフ) - この作品の2と3が鍵付きなのですが解除パスってないのでしょうか? (2019年10月3日 5時) (レス) id: 41e08bc415 (このIDを非表示/違反報告)
CHIHO(プロフ) - 全然大丈夫です!ゆるりと気長に待ってます!! (2019年8月30日 9時) (レス) id: 6e1910104e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サイガ | 作成日時:2015年7月20日 22時