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section 2 ページ19

Aはペタンとその場に座り込んでしまい、手で口を抑え青い顔をしている



エ「A…」



私が近寄り、Aの背中をさする

するとその手を両手で握り、下を向いたままAは泣きそうなような、嗚咽をこらえたような声で私に言う



『辛かったよね…』

エ「!」

『エマは…誰よりも、ママと家族とハウスが大好きなんだもん……今まで信じてきたママが、愛する家族を鬼に
  食べさせていたなんて知ったら…辛いよね…』

エ「A…」

『私もビックリしてる…ママが…あんなに優しいママが…まさか、私達を鬼に食べさせようとしていたなんて
  信じられない……けど、私は信じるよ。私はエマとノーマンを信じるよ』



Aは涙で瞳を揺らしながら強い眼差しでこちらを向く



『ママが大好きでしょうがないエマが、こんな残酷な嘘をつくとは思えないもん』

エ「A…(´^ ^`)」

レ「それで?これからどうすんの?」

エ「えっ、っていうか超すんなり信じてくれてるけど…」

レ「は?当然だろ。ノーマンがこんな間抜けな嘘つくかっての。
  エマならともかく」



ゴン…


信頼の差!



エ「今Aの言葉で感動してたのに〜!」

レ「———で、実際逃げるとなると問題はいろいろあるが…まずは人数だな」

『えっ…』

レ「いくら何でも全員は無理だ。実現可能なメンバーに絞って…」

エ「待って。全員で逃げたいんだ。力を貸して、二人とも」

『全員じゃないの…?私はもともと全員だと思ってたけど…』

レ「!、全員?冗談だろ?」

エ「!!」

レ「全員で37人。大半が6歳未満だぞ!?
  《ママ》《鬼》《発信器》。ただでさえ簡単でない脱走の難易度がケタ違いにハネ上がる」

エ「それはわかってる———でも、無理だと決まったわけじゃ…」

レ「いや無理だ」

『どうして…!?』

レ「エマ、A、お前ら気づいてないだろ」

エ「『え』」

ノ「レイ待って」

レ「成程。だから「僕から(・・・)話すよ」か。エマに伏せてた………いや、言えなかった(・・・・・・)のか?
  どちらにせよ(あめ)えよ、過保護だ。こういうのはハッキリ言った方がいい。
  エマ、A……「出る」だけじゃダメなんだぞ」



「外」がどうなっているのかはわからない

でも———



レ「出荷される先がある。”農園”ってモノがあること自体で予想はつくだろ」

section 3→←4話 “最善”



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作者名:ゆっきーぷ | 作成日時:2022年10月23日 15時

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