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Aはペタンとその場に座り込んでしまい、手で口を抑え青い顔をしている
エ「A…」
私が近寄り、Aの背中をさする
するとその手を両手で握り、下を向いたままAは泣きそうなような、嗚咽をこらえたような声で私に言う
『辛かったよね…』
エ「!」
『エマは…誰よりも、ママと家族とハウスが大好きなんだもん……今まで信じてきたママが、愛する家族を鬼に
食べさせていたなんて知ったら…辛いよね…』
エ「A…」
『私もビックリしてる…ママが…あんなに優しいママが…まさか、私達を鬼に食べさせようとしていたなんて
信じられない……けど、私は信じるよ。私はエマとノーマンを信じるよ』
Aは涙で瞳を揺らしながら強い眼差しでこちらを向く
『ママが大好きでしょうがないエマが、こんな残酷な嘘をつくとは思えないもん』
エ「A…(´^ ^`)」
レ「それで?これからどうすんの?」
エ「えっ、っていうか超すんなり信じてくれてるけど…」
レ「は?当然だろ。ノーマンがこんな間抜けな嘘つくかっての。
エマならともかく」
ゴン…
信頼の差!
エ「今Aの言葉で感動してたのに〜!」
レ「———で、実際逃げるとなると問題はいろいろあるが…まずは人数だな」
『えっ…』
レ「いくら何でも全員は無理だ。実現可能なメンバーに絞って…」
エ「待って。全員で逃げたいんだ。力を貸して、二人とも」
『全員じゃないの…?私はもともと全員だと思ってたけど…』
レ「!、全員?冗談だろ?」
エ「!!」
レ「全員で37人。大半が6歳未満だぞ!?
《ママ》《鬼》《発信器》。ただでさえ簡単でない脱走の難易度がケタ違いにハネ上がる」
エ「それはわかってる———でも、無理だと決まったわけじゃ…」
レ「いや無理だ」
『どうして…!?』
レ「エマ、A、お前ら気づいてないだろ」
エ「『え』」
ノ「レイ待って」
レ「成程。だから「
どちらにせよ
エマ、A……「出る」だけじゃダメなんだぞ」
「外」がどうなっているのかはわからない
でも———
レ「出荷される先がある。”農園”ってモノがあること自体で予想はつくだろ」
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作者名:ゆっきーぷ | 作成日時:2022年10月23日 15時