赤血球で、白血球な皆のおまわりさん！！【はたらく細胞】

激怒する細胞さん　4 ページ42

4201side



4201「ぁ･･･。」

勢いよく振り返った細胞さんの髪は、恐ろしいほど出っ張っていた。

･･･あれだ。
赤血球になったとき、マクロファージ先生からもらった【赤血球仕事マニュアル】に書かれていたやつだ。

[その13:一般細胞さんにも、個性があります。大抵が優しい人ですが、たまにとても気性が荒く攻撃的な一般細胞さんもいるので、なるべく関わらずトラブルを防ぎましょう。]


見るからに、目の前にいるその細胞はその類いだろう。

ﾔﾝｷｰ細胞「っあ！？･･･ﾁｯ。お前！！」

4201「え！？」

すると突然細胞さんが、身を乗り出して怒鳴ってきた。


ﾔﾝｷｰ細胞「なぁ、お前。どーしてくれんだよｯ！お前が話かけて来やがったから、今日の食料！おとしちまったじゃねぇか！！！」

4201「･･･は？」

え、それ･･･私関係ない。

ﾔﾝｷｰ細胞「おいおいおい！本当、どうしてくれんだ。今日は飯抜きですごせってか？飢えに耐えて寝ろってか？ああ”？ざけんじゃねぇーよ！！！」

そんな細胞さんのマシンガントークにそろそろ耳が痛くなる。

ﾔﾝｷｰ細胞「お？･･･つか、お前いいもん持ってんじゃねえーかよ。それ、詫びに寄越せよ！！」

4201「･･･っ！？」


そういって細胞さんが指差したのは、先程先輩と小腸へいった帰りに受け取った、芳ばしい香りのするトマトサンドの入ったバスケットだった。


4201「だ、駄目です。これは、違う細胞さんにお届けする今日のご飯です。貴方にお渡しすることはできません。」

ﾔﾝｷｰ細胞「はぁ？」

酷く低くドスの効いたその細胞さんの声に身震いし、足もガタガタと動く。



4201「っ･･･だ、だから。これは他の細胞さんに･･･私の仕事、なんで･･･」

恐怖からか、細胞さんから目を逸らしながらそういった。
最後は情けないほど小さな声になって萎んでゆく。

ﾔﾝｷｰ細胞「何をほざいてやがんだよ･･･。俺の飯を台無しにしてくれやがってよｯ！！何が仕事だ！此方は腹がへってんだよ。さっさと寄越しやがれ！」

4201「きゃ･･･！」


目の前の細胞さんはそう叫ぶと、私の持っていたバスケットに手をかけた。


.

朱色のおまわりさん　5→←赤色の後輩ちゃん　3

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す