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辿り着いたカジノフロアは騒然としていた。あちこちで悲鳴が上がり、客達が必死に逃げ回っている。
部屋の中央では一人の男が暴走していた。彼の瞳は赤かった。まるで神格者のスピネルの瞳のような───その男を観察すると同時に、俺は舌打ちをする。マガイモノか。
俺は目を顰めると、近くで尻餅を着いて震えていた女性に「すいません」と声をかける。
「………政府の者です。何があったんですか？」
「っ、と、突然、あの人が暴れだして…！それで人に噛み付いてッ…！」
「………噛み付いた…？」
マガイモノが客に噛み付いた。その事実に思わず思考を混乱させてしまう。確かに、女性の指さした方には血塗れの若い女性が倒れていた。
よく目を凝らしてみていると、彼女の首筋には噛み付かれたような2つの跡が見える。まるでそれは吸血鬼に血を吸われたような──俺はまた目を顰める。マガイモノが人間の生き血を啜った…？いや、そんな事例は聞いたことがない。
俺はじっと暴走したマガイモノの男を観察する。
瞳は変わらず赤い。口元には血の跡。体型は至って成人男性の姿だが、どこか狂気に溢れたオーラがある。
チラリと廊下の様子を確認する。
オスマンは来る気配がない。一体何をやっているのだろうか。いや、今はそんなことを考えている場合では無い。俺はアイツを捕縛するのみだ。
「───……
俺はそっと呟くと、その男に近づく速さを徐々に上げていく。
それに気付いたのか、男は常人離れした身体能力で一気に距離を詰め寄る。
「──"ユーフォガルド"」
発した言葉と共に右手に現れたデスサイズのような黒い巨大な武器を振り上げる。その全長はおよそ2.5メートルにも上る大きさで、俺に飛びかかってきた男をその柄の先で捻じ倒す。男は「かハッ！」と苦しそうな声を出して、床に倒れそうになる。俺はそれを見逃さなかった。
「ヴぅぅ…ッグガゥ…っ！！」
「いい子だから、大人しく捕まって、な？」
俺は暴れる男をうつ伏せの状態で床に押し倒し、その男の行動を抑えるように、背中に座る。そして、男の首筋や手首を見やる。
青い筋が出ている。それに色白い。鋭く尖った2本の牙が人間でないと言っているようだ──今までのマガイモノ達はこんな姿ではなかった。一体、この男に何があった…？いや、今はコイツを政府に──その時だった。
「──っ！」
背に感じた異様な狂気。
俺は咄嗟に背後を振り返り、ユーフォガルドでその攻撃を止める。
ギリギリと耳障りな金属の擦れる音が響く。
「………は…？」
俺は大きく目を見開く。
「………何でお前がそれを持っている…？」
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灰月蓮也(プロフ) - 最終的に兄弟対決になってフィラが負けて「これで革命は終わりだ｡､､､ありがとう｡お兄ちゃん」って言って死んでくれたら僕が嬉しい｡性癖に刺さる｡大好きです｡ (2022年9月1日 21時) (
レス) @page5 id: c79d198a7a (このIDを非表示/違反報告)
AINAIN819(プロフ) - 続編ありがとうございます！！内容が深く面白くめちゃくちゃ好きです！これからも頑張ってください！ (2022年8月27日 9時) (レス) @page5 id: 774cbd6690 (このIDを非表示/違反報告)
しきれさん(プロフ) - 続きだ…！！めっちゃ嬉しいです！更新頑張ってください！！！！ (2022年8月25日 23時) (レス) @page5 id: bb34574bf7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまやみ。 | 作成日時：2022年8月25日 10時
