「■■■■■の作戦」 ページ5
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金髪の男はエレベーターで地下に降りていた。
鼻歌を歌い、なにやらご機嫌そうに口角を緩めている。
チン、と音を立てて、エレベーターの扉が開かれる。着いた先は地下5階。可笑しい。エレベーターのボタンは地下2階までしかないのだが。
男が薄暗い地下室の中を少し歩くと、橙色の光に照らされた空間に辿り着く。
そこには質素な家具がいくつか置かれていた。白いソファと黒いソファ。ダイニングテーブルに簡易的なキッチンスペース。そしてチェス盤。おまけに仮眠用のベッドが二つそこにあり、その一つに男が寝転がっている。その男の近くには、赤いマフラーが畳まれていた。
「……なんや、ご機嫌そうやな。あんた、今まで何処フラフラ歩いとったんや」
「ククッ、なんでも協力者が政府の評判を落としてくれると言うからな。少し見学してきただけだ」
「協力者……あー、前に交渉してきたアイツらか。で？結果はどうだったん？」
「お前の予想通りだゾ」
「なんや、結局、無能連中やないか」
体を起こしたその男はマフラーを自分の首に巻く。彼の目下は酷い隈ができていて、恐らくだいぶ寝不足なのだろう。
「だったら、なんでご機嫌そうなんや」
「珍しいもんが見れたからな。あぁ、お前にも見せてやりたかった！」
「絶対、碌でもないもんやんソレ」
「なんてこと言うんだ！」と金髪の男は口を膨らませる。それを無視してマフラーの男は言葉を続ける。
「そんなことより、アイツらからの連絡、来たんか？」
「……あぁ、決行日までには間に合うと連絡が来た。ただ、ここ最近政府の連中がウロチョロしとるもんやから中々行動がしにくいとも言っとったな」
「あー、確かにな。まぁ、最近えらいマガイモノの数が増えてきとるって話やからな」
「アイツらの行動が制限されるのは我々にとっても痛い。少し、政府に潜入させとるアイツに内部工作をしてもらうとするか」
「わかった。後で連絡しとくわ」
マフラーの男はよいこらせ、と立ち上がると、ポケットからスマホを取り出し、電話をかけ始める。その様子を見ながら、金髪の男はビルを支えるコンクリートの柱につけられたカレンダーを見る。そして近くにあったダーツを投げつける。
コンクリート製の柱であるのにも関わらず、ダーツの矢先はカレンダーに突き刺さる。金髪の男が見事命中させた日付には赤い文字で「Xデー」と書かれていた。
金髪の男は机の上のチェス盤に手を伸ばす。
黒い駒と白い駒。熱戦を繰り広げているその駒達はまるで戦争を表しているようだった。しかし、黒いクイーンだけが定位置になく、白に囚われている。
「………Xデーまで1週間。それまでに準備を整えなくては…」
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灰月蓮也(プロフ) - 最終的に兄弟対決になってフィラが負けて「これで革命は終わりだ｡､､､ありがとう｡お兄ちゃん」って言って死んでくれたら僕が嬉しい｡性癖に刺さる｡大好きです｡ (2022年9月1日 21時) (
レス) @page5 id: c79d198a7a (このIDを非表示/違反報告)
AINAIN819(プロフ) - 続編ありがとうございます！！内容が深く面白くめちゃくちゃ好きです！これからも頑張ってください！ (2022年8月27日 9時) (レス) @page5 id: 774cbd6690 (このIDを非表示/違反報告)
しきれさん(プロフ) - 続きだ…！！めっちゃ嬉しいです！更新頑張ってください！！！！ (2022年8月25日 23時) (レス) @page5 id: bb34574bf7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまやみ。 | 作成日時：2022年8月25日 10時
