◆.｡54 ページ7
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｢いたい、｣
翔｢痛くしたからな｣
｢はっ？｣
言い返そうと見上げるけど
先にふっかけてきた本人は
なんでもないように、窓の外に視線を向けていた。
翔｢雨芽と俺は、付き合ってたけど付き合ってなかった｣
｢…？｣
翔｢俺が告白されて振るとこを見られてて、アイツから言ってきたんだよ、“私と付き合えばこういう面倒なこと減るよ”って｣
｢…え、｣
…雨芽ちゃんが･･･？
翔｢まぁ、アイツに俺が面倒って思ってることバレてたのは驚いたけど、なんか訳アリそうだったし、実際俺も面倒だったから、乗ってみるのもありかなって…
｢ちょっと待って、そんなことして雨芽ちゃんになんの得があるの？｣
翔｢…さぁ？(笑)｣
｢えっ、理由も聞かず付き合ったの？｣
翔｢うん(笑)｣
｢…｣
信じられない…
そんな簡単に大事なこと決めちゃうなんて、
よっぽど告白されて断るのが面倒臭かったか…
それとも･･･
翔｢…ま、さっきの話聞いてれば大方、俺と付き合ってる噂があの先輩に届いて自分のこと気にしてほしかったってとこじゃないの？効率悪すぎだと思うけど…｣
｢…｣
翔｢…なんだよ、その顔｣
｢…いや、｣
翔｢頭悪いんだからいちいち言い留まるなよ｣
｢は？何それ、頭悪いの関係ある？｣
ただ、
ただ私は…
｢…委員長、大丈夫？｣
.
翔｢…は？何が？｣
｢だって、雨芽ちゃんの本当のことさっき知ったんでしょ？面倒臭かったからって理由も聞かず付き合うなんて、やっぱり少しは雨芽ちゃんのこと…｣
翔｢…｣
表情を崩さないまま私の話を聞いてた委員長は
そこまで聞いて、少し、驚いたような顔をした。
そして
いつもの意地悪な笑い方で私を見た。
翔｢…少女漫画思考なのはどっちだよ(笑)｣
｢…え？｣
翔｢ないよ、雨芽にそんな感情。｣
｢…うそ、でも雨芽ちゃんといる時の委員長って、なんか自然っていうか…心許してる感じがするし…｣
翔｢それは、アイツには何故か最初から俺の本性バレてたし…あとは多分、似てるんだよ俺と雨芽｣
｢…？…似てないよ？｣
翔｢うるせぇな(笑)…似てんだろ、狡くて、ひねくれてて、目的の為なら手段を選ばないとことか｣
｢…雨芽ちゃんは狡くない｣
翔｢…はいはい｣
ムキになって言い張る私を呆れたようにあしらって
また外を向いた委員長の横顔はやっぱり
どこか物憂げに見えた。
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skomiya0617(プロフ) - 更新頑張ってください (2020年6月14日 13時) (
レス) id: 8e4b334675 (このIDを非表示/違反報告)
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