◆.｡51 ページ4
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智｢…じゃあ俺、そろそろクラスの仕事戻るね｣
｢…え、雨芽ちゃんには…｣
智｢…｣
智｢…いいや、雨芽も俺に会いたくなさそうだったしね(笑)｣
｢…そんなこと、｣
智｢無理ないよ、雨芽にとっては俺と居た頃のことは怖い思い出だと思うから｣
｢…｣
智｢じゃあまたね、日向さん｣
それだけ言ってカーテンの外へ出ていったセンパイ。
全然、仕方ないっていう感じの顔じゃなかったな。
あんな寂しそうな顔してそんなこと言われたって
説得力ないよ…センパイ…。
.
.
雨芽｢…ん、｣
｢…雨芽ちゃん？｣
センパイがいなくなって暫く経った時
ずっと眠っていた雨芽ちゃんが目を覚ました。
雨芽｢…A？｣
｢雨芽ちゃん、大丈夫？｣
雨芽｢あれ、私…｣
｢ここ保健室だよ、雨芽ちゃんお化け屋敷やってる時に倒れちゃって…｣
雨芽｢…あ、そうだ｣
後ろに肘をついて起き上がろうとした雨芽ちゃんの身体がふらついて
慌ててその肩を押さえる。
｢ダメだよ、寝てなきゃ｣
雨芽｢…｣
｢…雨芽ちゃん？｣
雨芽｢A、私あの時…｣
｢…｣
微かに震える睫毛が
その先を告げることを迷ってる気がしたから
｢…大野センパイだよ｣
雨芽｢…！｣
｢雨芽ちゃんをここまで運んだの｣
雨芽｢…｣
.
雨芽｢…そ、っか…、やっぱり｣
力が抜けたようにゆっくりまたベッドに横になった雨芽ちゃんから伝わってくる動揺。
図々しいのは分かってたけど
思い詰めたような雨芽ちゃんの表情とさっきのセンパイを思い出したら
聞かずにはいられなかった。
｢…さっきまでここにセンパイがいて、雨芽ちゃんと
センパイのこと聞いたんだ｣
雨芽｢…え｣
驚いた目が真っ直ぐ私に向けられる。
｢…雨芽ちゃんがセンパイのこと避けてた理由…聞いてもいい？｣
雨芽｢…｣
静かに瞬きをして
再び私を映した瞳に
ドキッとした。
雨芽｢…Aも私が避けてるように見えた？｣
｢…え｣
潤んでキラキラした目には
強すぎるくらいの熱がこもってて
初めて見る雨芽ちゃんの表情に
怯んでしまいそうになる自分がいた。
雨芽｢…避けられてたのは私の方なの｣
｢…｣
雨芽｢私、中学は中高一貫の女子校に通ってた｣
｢…え｣
雨芽｢そのまま上がらずこの高校を受けたのは｣
.
雨芽｢智くんに会いたかったからだよ｣
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skomiya0617(プロフ) - 更新頑張ってください (2020年6月14日 13時) (
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