狂犬 19 ページ7
でも、近づかないと何も出来ない。
徐々に近づいて行くと、突然青峰が勢いよく振り向いた。
何かの察知能力ですか?
青「神楽坂!」
私の名前を呼んだことで他のメンバーも一斉に振り返る。
そしてバタバタと私のところに駆け寄った。
青「なんでお前がここにいんだよ。つかここはどこなんだよ」
貴『面倒だ。後にしてくれ』
聞きたい気持ちはわからなくもないが、今は時間がないので説明は後回しにしてほしい。
今「Aちゃんおったら安心やな。それにちょうどええやん。相談したい事があってん」
貴『相談?』
青「良の周りで不吉なことばっかあんだよ」
貴『良?』
諏「桜井だ。青峰と同じ1年の」
貴『…』
若「ほら!こいつだよ」
桜井良、よく謝るヤツ…。
顔ははっきりしないが、なんとなく覚えている。
しかし、煩い人が指差す方には誰もいないんだけど…。
貴『どいつだよ。その謝り野郎はどこ行った?』
邪鬼の気配もここから完全に消えて、遠くに向かっている。
こんなにも早く邪鬼が取り憑かれている人間を特定出来るなんて思ってなかったから、正直なところ驚いている。
今「え、なんでや。さっきまでおったんやで?」
貴『…とりあえず、今すぐ全員で民宿に戻ってください。民宿には高尾や玲央さん達がいるので事情はその人達に聞いてください。時間がないので早くしてくださいね』
今吉さん達の間を通り先へと進む。
ところがガシッと力強く誰かが私の肩を掴んだので思わず後ろに転びそうになった。
一体誰が?そう思って振り向けば青峰が私の肩を掴んでいた。
貴『なんだ?』
青「なんかお前、このままいなくなるって思って…」
貴『…』
何言ってんだこいつ、と思う反面、確かに失敗したら青峰の言う通りこのままいなくなりはするだろう。
でも、
貴『謝り野郎送り届けるまでいなくなりはしないさ。ほら、さっさと行け』
首を突っ込んだからには最後までやらないと。
それに、このままいなくなれば高尾になんと言われるか…。
面倒事が増えるのは御免だ。
青「…必ず戻ってこいよ」
それだけ言って青峰はすぐに背を向け民宿のある方角へと歩いていった。
1人で先に行ってちゃんと民宿にたどり着くのだろうか?
貴『…今吉さん達も早く行ってくださいね』
今「わかった。ちゃんと戻ってくるんやで?」
貴『はいはい』
ヒラヒラと手を振り、私は今吉さん達と別れた。
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レイ - 完結おめでとうございます。続編楽しみにしています。 (2019年1月2日 19時) (レス) id: d739f229f9 (このIDを非表示/違反報告)
神代(プロフ) - 完結おめでとうございます!本当に素敵な物語でした!気まぐれ彼女も楽しみに待っています! (2017年11月17日 13時) (レス) id: f49ce96779 (このIDを非表示/違反報告)
如月レン - 完結、おめでとう御座います。最後は、少し涙が出ました。更新、お疲れ様でした。続編、今から読みます。 (2016年8月19日 17時) (レス) id: 84fcaaee34 (このIDを非表示/違反報告)
たにやん(プロフ) - 完結おめでとうございます。いつも楽しみに読ませてもらってました。続編、期待しています! (2016年8月12日 0時) (レス) id: 5939541d69 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 「気まぐれ少女」の完結おめでとうございます!!サイガさんの作品はどれもおもしろいので、いつも更新されるのを楽しみにしています!!気まぐれ彼女も更新頑張って下さい。ファイトです(*^_^*) (2016年8月10日 13時) (レス) id: 8ed0b679fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サイガ | 作成日時:2016年7月11日 20時