検索窓
今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:29,920 hit

狂犬 29 ページ17

どうして、ここまで来てる?
あれほど待ってろって言ったのに…。
だけど、ここへ来てくれた事がとても嬉しくなった。


高「Aちゃん!」


高尾の顔を見た瞬間、安心して起こしていた半身が高尾にもたれ掛かるよう倒れる。
体力にも限界が来ていて、しばらく1人で動けそうもない。
高尾の他に虹村さん、花宮さん、青峰、赤司がいる。
高尾と虹村さんと青峰は真っ青な顔をしているな…。


貴『なんで、待ってなかったんだ…』


高「Aちゃん!俺言ったよね!?無茶はしないでって!」


さっきまで真っ青な顔してたくせに、今度は顔を真っ赤にして私に怒っている。
表情がコロコロ変わるから高尾は面白い。
高尾は私の背中を支え、半身を起こしてくれていた。
握りしめてくれる高尾の手はとても暖かくて安心する。
あ、高尾の手、震えてる。
私がこんな血まみれで、驚かせてしまって申し訳ないな。


貴『これでも、マシな方だけどな…。悪かった』


赤「神楽坂、もう喋らなくていい。止血するぞ」


赤司が自分のTシャツの裾を破き、包帯代わりにした。


貴『うっ!』


傷が触れる度激痛が走るが、止血のために堪えた。


貴『は、ははは。ありがとう、赤司。…すいませんね、花宮さん。目の前でくたばって…』


花「そんな事言ってる場合かよ!」


柄にもなく花宮さんが心配してる様子が見れた。
きっと明日は槍の雨が降るんだろうな…。
虹村さんが謝り野郎の意識を確認し、青峰が担いだ。
これで謝り野郎も民宿へ戻れる、安心した。


貴『これ、で、戻る約束は…守りまし…たよ…』


私はそこで意識を手放した。




*********




ふと、生きた人の気配が多くてなんだか落ち着かなくなった。
話し声も多い。
ゆっくりと目を開ければ、どこかで見た天井が写っていた。
ここは一体どこだろうか?


高「Aちゃん!」


名前を呼ばれて首だけを横に向ければ、すぐそばに高尾がいた。
ああ、そうか、ここはまだ霊界か…。
高尾はずっと隣にいてくれてたんだろうか?
高尾の後ろにはちらほらと、こちらを心配そうに見守る人がいる。
どうやらここは民宿の中で1番広い部屋のようだ。


貴『私は、どれくらい、眠っていた?』


高「え?あ、多分…1時間…」


そんなに時間を無駄にしてしまったのか…。
それにしても不思議だ。
酷い傷に、酷い流血だったのにまだ死んでいないという事は、赤司が適切に応急処置してくれたおかげだろう。

狂犬 30→←狂犬 28



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (85 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
106人がお気に入り
設定タグ:黒バス , 怪談
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

レイ - 完結おめでとうございます。続編楽しみにしています。 (2019年1月2日 19時) (レス) id: d739f229f9 (このIDを非表示/違反報告)
神代(プロフ) - 完結おめでとうございます!本当に素敵な物語でした!気まぐれ彼女も楽しみに待っています! (2017年11月17日 13時) (レス) id: f49ce96779 (このIDを非表示/違反報告)
如月レン - 完結、おめでとう御座います。最後は、少し涙が出ました。更新、お疲れ様でした。続編、今から読みます。 (2016年8月19日 17時) (レス) id: 84fcaaee34 (このIDを非表示/違反報告)
たにやん(プロフ) - 完結おめでとうございます。いつも楽しみに読ませてもらってました。続編、期待しています! (2016年8月12日 0時) (レス) id: 5939541d69 (このIDを非表示/違反報告)
- 「気まぐれ少女」の完結おめでとうございます!!サイガさんの作品はどれもおもしろいので、いつも更新されるのを楽しみにしています!!気まぐれ彼女も更新頑張って下さい。ファイトです(*^_^*) (2016年8月10日 13時) (レス) id: 8ed0b679fa (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:サイガ | 作成日時:2016年7月11日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。