【狂犬組】ただの事務員にこんな生活は厳しいです【wrwrd!】

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静寂が、この部屋を包み込む。

流石に…急に二択を迫ったのはいかんかったか。

でも、今聞かんともう聞く機会も無いかもしれんからな…




まさか、シャオロンが勝手にAにキスの事を言ってたなんて思いもせんかったけど。

どうして急に…な。


まぁ実際効率はそっちの方が良かったはずやのに…どうしてまったんやろな。俺。

恋愛感情なんて抱いたの、初めてやからかな…

こんなに苦しいもんやとは思ってへんかった。

あとは、シャオロンに負けたなかったんやろうなぁ


そんなに必死になることか？って、別のコネシマが横に居ったら、絶対聞いてきとったわ。

勿論、必死や。

掴めそうで掴めへん、届きそうで届かへんAに、手を伸ばす事で必死や。

耳とか尻尾とか関係あらへんな。




…にしても、相当悩んでるんやろか…。

長いな。





なんて、じっと見つめてたら、ゆっくりと頭が動いた。

そして、ばっちり目が合った。

自分の中に緊張が走り、唾を飲み込む。



じっと見てると、開かれる口。

決断したみたいやな。

そんな開かれた口から放たれた言葉は、




『私は…シッマが、好き、かな。』




小さな声だった。

でもはっきりと聞こえた。

シッマが好きと。



あかん。

こんな感情久しぶりや。…いや、人生で初めてかもしれん。

なんやこの感情は…

ありえんくらい嬉しくて、安心して。

目の前で自分をじっと見つめるAを抱きしめたくなって。



今まで感じたことのない感情に、目から涙が零れた。

そんな事態に、自分ですら驚いた。

相当安心したんかな…

こんな事は初めてやわ。



流れる涙はそのままに、目の前にいるAに抱き着く。

優しく、包み込むように抱かれ、泣く俺の背中をさするAからは感じたことの無い温かさを感じた。



後ろに居るシャオロンなんか知らん。

少し笑いながら心配してくれるAを真っ直ぐ見つめ、俺は。



告白の一言を、改めて口にした。



はいと言うAの笑顔は、過去最高に可愛かった。



俺はAに、半ば無理矢理にキスをした。

恥ずかしがって顔を赤くするAも可愛いな。なんて、自分でも馬鹿なくらい沼ってると思うわ。




目の前で大きく目を見開くAに、そういえば…と、自分でも頭を触って確認する。

そこに、さっきまであったはずの耳は、しっかりと消えていた。

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