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深澤「男だから、照って」
「……え!?」
"ひかる"って、男……?
勝手に勘違いしていたことに、恥ずかしくなる。
そんな私を小さく笑って、深澤くんは手を伸ばした。
深澤「ほら、行こ。送ってくから」
差し出された手に、ゆっくり自分の手を重ねた。
ぎゅっと握り返されて歩き出した街路樹。
深澤「Aさん、手ぇ冷たぁ」
「はは」と笑う深澤くんの横顔を見上げて、懐かしいなって思った。
そんな私の心を見透かしたみたいに、ふわりと優しく笑った深澤くん。
深澤「……懐かしいな。学校帰り、こうして帰った」
同じく、過去を思い出していたのが嬉しかった。
付き合っていたのは、高校3年生の数ヶ月。
クラスの中心にいる人気者の彼と、地味で目立たない私とでは、上手くいくわけがなかった。
でも、その数ヶ月は夢みたいに、幸せだった。
深澤「お、照いた」
コンビニに辿り着くと、ちょうどよく店内から出てきたガタイがよくて強面なお兄さん。
もしや、あれが"ひかる"さん?
買い物袋をぶら下げたひかるさんが、私を見て僅かに目を見開く。
少し警戒されているような気がした。
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サイ(プロフ) - takkimakkiさん» 初めまして、とても嬉しい感想ありがとうございます!皆さんに伝わるように丁寧に綴るのを心がけていたので、そう言っていただけて嬉しいです。不定期更新ではありますが、これからも見守っていただけると励みになります(^^) (2023年3月18日 20時) (レス) id: 0e52adef77 (このIDを非表示/違反報告)
takkimakki(プロフ) - 初めまして!このお話に出会い、一気読みさせていただきました。お話の中に引き込まれて、頭の中でドラマのように思い浮かぶステキな日本語と物語で、大ファンになりました。これからも楽しみにさせていただきます! (2023年3月16日 9時) (レス) id: ff744b84c3 (このIDを非表示/違反報告)
にふらー@低浮上(プロフ) - サイさん» え、そんなッッ‼︎あんな駄作達なんか、サイ様の足元にも及びませんからッッ‼︎でも、アドバイスなど。気付いた点を教えていただけると幸いです。 (2023年1月2日 23時) (レス) @page18 id: 6304bb2060 (このIDを非表示/違反報告)
サイ(プロフ) - にふらー@低浮上さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます◎細かいところまで見てくださってるんだなと思い嬉しくなりました◎更新頑張ります◎にふらーさんの作品も、時間がある時に読ませてもらいたいなと思います◎ (2023年1月2日 12時) (レス) id: 0e52adef77 (このIDを非表示/違反報告)
にふらー@低浮上(プロフ) - コメント失礼しますッッ‼︎『前の席の岩本くん』が大好きで、作者様が同じだとわかって、心の中で発狂しました笑笑 サイ様の文の書き方など、勉強する点が沢山あるので、続きがとても気になります…‼︎更新、頑張ってくださいッッ‼︎ (2023年1月2日 0時) (レス) @page18 id: 6304bb2060 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サイ | 作成日時:2022年11月23日 19時