# 18 ページ18
.
信号が赤になり、ゆっくりと車が止まる。
岩本「でもAさんって不思議な力あるよね」
「そうですかね?」
岩本「うん、俺実は女性恐怖症なんだけど、Aさんはなぜか平気だもん」
「え!?」
岩本さんが女性恐怖症だなんて、知らなかった。
確かに最初は警戒されてる感じはあったけど、それもすぐに消えたように思えた。
岩本「自分でもびっくりしてんの。シェアハウスに女が交ざるとか有り得ないって思ってたし」
「し、知らなかったです。私、嫌なこととかしてませんか?」
岩本「大丈夫だよ全然。Aさん、ヒーラーなのかもね」
「そんな能力ないですよっ」
岩本「あはは」
冗談を交えながら、青信号に変わり車は走り出す。
バイト先のコンビニが見えてきて、少し手前で下ろしてもらった。
車を降りてありがとうございましたとお礼を言ったところで、「Aさん」と岩本さんに呼び止められた。
車の窓がゆっくり開いて、奥の運転席にいる岩本さんがスマホを取り出す。
岩本「今日は仕事何時まで?」
「5時までです」
岩本「じゃあ、それくらいに迎えに行く。遅くなりそうとか変更があったらLINEして」
昨日の夜に岩本さんと深澤くんと連絡先を交換して、シェアハウスのグループラインにも追加してもらった。
「行きも帰りも送ってもらうの申し訳ないです。一人で帰れますよ」
岩本「だめだって、心配だから。じゃあね、仕事がんばって」
そうして岩本さんは颯爽と車で去っていった。
.
1186人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サイ(プロフ) - takkimakkiさん» 初めまして、とても嬉しい感想ありがとうございます!皆さんに伝わるように丁寧に綴るのを心がけていたので、そう言っていただけて嬉しいです。不定期更新ではありますが、これからも見守っていただけると励みになります(^^) (2023年3月18日 20時) (レス) id: 0e52adef77 (このIDを非表示/違反報告)
takkimakki(プロフ) - 初めまして!このお話に出会い、一気読みさせていただきました。お話の中に引き込まれて、頭の中でドラマのように思い浮かぶステキな日本語と物語で、大ファンになりました。これからも楽しみにさせていただきます! (2023年3月16日 9時) (レス) id: ff744b84c3 (このIDを非表示/違反報告)
にふらー@低浮上(プロフ) - サイさん» え、そんなッッ‼︎あんな駄作達なんか、サイ様の足元にも及びませんからッッ‼︎でも、アドバイスなど。気付いた点を教えていただけると幸いです。 (2023年1月2日 23時) (レス) @page18 id: 6304bb2060 (このIDを非表示/違反報告)
サイ(プロフ) - にふらー@低浮上さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます◎細かいところまで見てくださってるんだなと思い嬉しくなりました◎更新頑張ります◎にふらーさんの作品も、時間がある時に読ませてもらいたいなと思います◎ (2023年1月2日 12時) (レス) id: 0e52adef77 (このIDを非表示/違反報告)
にふらー@低浮上(プロフ) - コメント失礼しますッッ‼︎『前の席の岩本くん』が大好きで、作者様が同じだとわかって、心の中で発狂しました笑笑 サイ様の文の書き方など、勉強する点が沢山あるので、続きがとても気になります…‼︎更新、頑張ってくださいッッ‼︎ (2023年1月2日 0時) (レス) @page18 id: 6304bb2060 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サイ | 作成日時:2022年11月23日 19時