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病院に付いて暫くして智は意識を取り戻したが、念のため検査して糸で切れたり岩でぶつけた傷を手当てして貰った。
結果、特に問題なしと言う事で翔たちが到着し程なく帰れる事になった。
「心配かけてごめんね」
心底申し訳なさそうに眉毛が八の字になる。
「それと潤……ありがとな」
「いいよ、無事だったし。
あんなでかいのかかったらあの足場じゃ確かに危なかったよ」
「でかいって？」
「足に絡んでた糸に魚がついてたんだよ」
「帰ったら食ってやろうね」
翔と雅紀が説明する。
「それより智……
もう海に入れないよ」
「えっ、なんで？」
「岩場であっちこっちぶつけたろ？
お医者さんにもう入るなって言われたの聞いてなかった？」
「無視して入ってもすっごい沁みるからね」
海を目の前にして泳げない……何それ！？
悲しい現実に目眩がする。
でも傷が沁みるのも嫌……
傷が残らないように細かく縫われた箇所もある。
岩場で擦った傷もある。
ぶつけた傷もある。
腰の少し上……ラッシュガードが破れる程ぶつけて意識が飛んだ。
骨がない所だから折れなくて済んだが衝撃はダイレクトに内臓に響いた。
傷にもなった。
きっと沁みまくり！！
魚め、刺身とつみれにしてやる！
怒りの矛先を魚に向ける……しかなかった。
すっかりしょぼくれてしまった智の頭を撫でる。
「頭打たなくてよかったよ。
受け身とったんだろうけど、打ち所が悪かったら帰れないよ」
言われてぞっとした。
打ち身や擦り傷で済んでよかったと言うべきか……
僅かにびっこをひきながら肩を落として歩く後ろ姿は見てる方辛くなる。
初めての修学旅行をとっても楽しみにいていたのだから。
「ボートの上でゆっくりする？
引っ張ってあげるよ」
「また釣りに行く？
今度はライフジャケット着ような」
「砂でアート作る？
でっかい超大作」
「テラスにハンモック吊るすから昼寝する？
トロピカルジュース出前取るよ」
海に入らず楽しめる事を皆が提案する。
いつもふわふわ笑っている智にしょぼくれた顔をして欲しくなかった。
そんな皆の気持ちがわかっている智は大きく息を吐いて
「ありがとね」
少し切なさは漂っているが微笑んだ。
皆の気持ちは温かくて優しいのがわかるから。
自分が慣れない岩場でかなり久し振りの釣りで踏ん張りが効かなくて落ちた。
ライフジャケットをちゃんと着てれば岩にぶつかった時、意識が飛ばずに済んだかもしれない。
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蒼羽(プロフ) - ともさん» ありがとうございます。なんか設定が暗くて重いのが多いですね……なのにどシリアスになりきらない文章力のなさが申し訳ないです。トホホです。それでもめげずに書いて行きたいと思いますので、お付き合いよろしくお願いします。励まされ頑張れます。 (2021年2月12日 17時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 終わってしまった。今回のお話も前回のお話同様…頭の中で構成図を組立ててそれを頭に叩き込みながら拝読させてもらいました(笑)皆…重く辛い過去を持ちつつも苦しみを分け合い支え合う姿に心を奪われています。とても素敵なお話をありがとうございました。 (2021年2月12日 15時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - あいさん ありがとうございます。お返事が遅くなり大変申し訳ないです。コロナに振り回されて小説書くだけでコメントまで手が回りませんでした。いつ終わるのか……外に出れない皆様のささやかな時間潰しが出来ればと頑張ります。 (2020年4月3日 14時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - こんばんわ、楽しく読ませてもらってます(^o^)これからも楽しみにしてます☆ (2020年3月20日 20時) (レス) id: 836a232359 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年3月19日 20時
