４７ ページ47
side 雅紀
ぜんぜんコリてない智は懲りずに俺を指名した。
ぜんぜん恐怖を感じなかったのかな？
何が何でも、ポイして欲しいようだ。
「雅紀……自分の近くで足から落とすんだぞ。
絶対、適当にポイするなよ。
頭から落としたら危ないからな」
「わかった」
どうしたって聞きゃしない智の説得は諦めて、翔兄が俺に注意事項を話した。
智さん………………勘弁して下さい。
もう何十回目？……流石に腕が疲れたよ。
「もぉ〜かぁいっ」
何度となくお強請りされた。
その度に智を持ち上げて海に放り投げる。
ちゃんと足から着水するように。
その分、高く持ち上げなきゃだから、もう大変。
智は、きゃらきゃら笑ってるけど……俺は笑い事ではなくなってきた。
因みに和は翔兄が、ゆったり引っ張って、のんびり揺蕩っている。
潤は動画撮影中…………翔兄からの任命？命令？
「もぉ〜かぁいっ」
ほらまた………容赦ないな。
「おーーい、昼ごはんだぞ」
天の声！神の声！…………父さんの有り難い声！
「いなぁなぁ〜い、ぽぉいよぉ」
「兄ちゃん、お腹空いたよ〜」
と訴えてみる。
すると……じっと考え込んで
「しゃ〜なぁなぁ。
いぃよぉ………ごぉはぁんねぇ」
と言ってくれた……………助かった。
もう腕パンパンだから。
「もぉ〜かぁいねぇ」
はいはい……最後の１回ね。
「うりゃっ」
最後なんで思いっ切り、ぶん投げてやった。
「あ……」
最後だ……と思いっ切り投げたら頭から沈んだ。
ヤバい！！
「馬鹿！……頭から落とすなって言っただろ！
しかもあんな遠くに」
いや……そんなに遠くはないよ。
疲れてるし……腕痛いから……数歩歩いて智を助ける。
「ごほ、ごほ……げぇ〜」
あ……吐いた。
海水飲んじゃったか……思いっ切り。
笑って……口開けたまま沈んだな。
抱き上げて砂浜のテントに向かう。
波打ち際まで来てた父さんに智を渡す。
父さんは智を小脇に抱えて背中を摩った。
その間、智はずっと咳き込んでる。
「翔、水」
「はい、父さん」
父さんに言われて翔兄はバックからペットボトルの水を出して渡した。
「智……ぶくぶくしてぺっ……してごらん。
飲むんじゃないぞ」
言われた通り水を口に含んで、ぶくぶくしてぺっした。
「ごろごろ……うがいできるか？」
言われてやってみるが……元々うがいは苦手だ。
それでも懸命にやってる。
何度か繰り返し
「お茶飲もうか」
「ん……」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼羽(プロフ) - 青子さん» いっつもコメントありがとうございます♪ お陰様で頑張って書いて行けます。2卵生の双子なんでね、ぜんぜん違っててもいいかなっと時々極端になってます。年少年中は少し駆け足で進む予定です。その分年長はじっくり書いて行こうと思ってます。よろしくお願いします。 (2月25日 21時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
青子(プロフ) - 蒼羽さん、いつも素敵なお話をありがとうございます。お顔が水で濡れるのが嫌いな子とまったく気にしないで水に飛び込む子。懐かしくてウンウンと頷いています。飛び込むの大好きで、ポイっとされるのも大好き。兄弟でも違うんですよね。続きも楽しみにしています。 (2月25日 14時) (レス) @page49 id: b6eff80a20 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - ともさん» コメントありがとうございます♪ 『いっしょぉよぉ〜』は大宮家の双子の基本です。最近はちょっと離れたりしますが、気が付けば引っ付いてます。どっちかと言うと和が智に引っ付いてますが、智は何も言わず引っ付かれてます。何時でも仲良しです♪ (2月21日 21時) (レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 双子ちゃんの「いっしょぉよぉ〜」が大好き( ´͈ ᵕ `͈ )♡ (2月21日 7時) (レス) @page43 id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - まりあさん» コメントありがとうございます♪ 更新頑張りますので、応援よろしくお願いします♪♪ (2月5日 22時) (レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼羽
| 作成日時：2024年1月21日 3時
