４ ページ4
side 潤
父さんに言われて用意したのは……小さいビニールシート３枚と棒１本。
ビニールシートを３枚並べて広げる。
その上に小玉すいかを１つずつ置いて行く。
「すいか割りするぞ。
１番はだ〜れだ？」
「「あい！……あいあい！」」
智と太郎くんが勢い良く手を挙げた。
こう言う時、和は様子見るんだ。
「どっちが先にする？」
「あい！」
改めて聞くと智は手を下げる。
あんなに勢い良く手を挙げてたのに最終的には譲っちゃうんだよな。
「じゃあ……太郎くんからな。
はい、歩いて行って……この棒で、すいかを思いっ切りぶっ叩いて割るんだよ」
「あい！」
「初めてだし、すいかも子どもも小さいから目隠しなしでやるからね。
大きくなったら目隠ししような」
確かに……結構、子どもってバグるからな。
見てても、あの小玉すいかを外す可能性はある。
ビニールシートの端から逆の端に置いてある小玉すいかまで歩いて行く。
「ストップ！」
「そこで、すいかをぽんって叩いて」
「思いっ切りだよ」
「「頑張れ、太郎」」
「あいっ！」
周りの声に後押しされ太郎くんが棒を力いっぱい振り下ろす。
「「あ〜……惜しい」」
棒はつるんとすいかの上から横に滑って行った。
ホント……惜しいよ。
「「もう１回」」
「あいっ！………おりゃあ！」
今度は気合いの入った掛け声付き………どうだ？
……………割れた……てか、削れた？
真っ二つ……………とは生憎いかず、３分の１ほど削れるような感じで割れた。
それでも初心者の幼児……拍手喝采だ。
「次は智な」
太郎くんから棒を受け取りスタンバってる智に渡す。
受け取った智は真剣な顔で小玉すいかに近付き
「おりゃあ！」
気合い１発…………これまた惜しい……近付き過ぎて小玉すいかの向こうを叩いた………掠りもしない。
あ……智が固まった……そして小さく、ぷるっとした。
思いっ切り地面叩いた事になるからな。
ちょっと手が痛いか痺れたかな？
「もうちょい下がりな」
「あい」
手をふりふりしながら１歩下がった。
「はい、もう１回」
「あいっ………うりゃあ！」
おっ……綺麗に割れた。
思いっ切りの良さが出たな。
そして智にも拍手喝采。
「はい、次は和だぞ」
「あい」
近付くだけで、もう慎重って。
めっちゃ小玉すいかを見てる。
割る気満々だな。
「やぁ！」
スカッ…………あれ？
慎重派の和なら当てると思ったんだけどな。
外したね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 137人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼羽(プロフ) - 青子さん» コメントありがとうございます♪ いつも励まされております。こんな父…いたら尊敬モノです。付き合わされる兄ずは戦々恐々してますが。双子のために頑張ってます。今回、大騒ぎ？だったので次章はまったりとしたお話にしようかな…とは思ってます。 (7月25日 18時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
青子(プロフ) - どんどん成長する子どもたちが、これからも楽しみです。そして他のお話も大好き♪これからもまた素敵なお話を楽しみにしていますね (7月25日 11時) (レス) @page50 id: 80e1e60bd3 (このIDを非表示/違反報告)
青子(プロフ) - 蒼羽さん、いつも素敵なお話をありがとうございます。お庭のお祭り楽しそうですね(参加したいw)。お父さん、なんでもできちゃう方で、子ども達もお父さん全力でいろんな経験ができて良いですね。双子ちゃんも太郎ちゃんもまた明日が出来てエライ！ (7月25日 11時) (レス) @page49 id: 80e1e60bd3 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - aracick5963さん» コメントありがとうございます♪ 大宮父、子どものためなら全力本気です。先祖が地主だったようです。普通に仕事もしてますが、土地も転がして活用してます。家賃収入で基本生活していけます。父の給料は子どもたちのために使うポケットマネーです（笑）そんな裏設定。 (7月9日 16時) (レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
aracick5963(プロフ) - お家キャンプからのお家縁日楽しみすぎます。大宮父さんの本気がすごい！そして諸々の屋台がひろがる庭の広さよ🤣 (7月9日 1時) (レス) @page28 id: 4219fda75e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼羽
| 作成日時：2023年5月31日 11時
