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………長い冬休みが終わった。
新しいメンバーを迎え新年最初の営業が始まる。
「うわぁ〜緊張してきたっ」
朝から開店前のこの時間まで落ち着かない雅紀。
流石に年明け早々は予約がきっちり埋まっている。
「大丈夫だよ。
やる事はナイトと変わんないだろ」
「でも韓国語とかフランス語とかこんがらがりそうだよぉ」
「その為にカラーズは15分休憩があるじゃん。
その時に予習しとけばいいんだから」
接客は連続では行わない。
ナンバーズは10分、カラーズは15分休憩が入る。
「ナンバーズでも英語の客いただろ？」
「それでもぉ〜。
逆になんで智は落ち着いてられんの？」
「やる事一緒だもん。
１日英語って日もあったしさぁ。
大丈夫だよ、雅紀ならやれるから」
ほわんとした全く緊張感のない微笑みに脱力するが、緊張も一緒に抜けて行く。
「少なくともさ６人はおっ初〜だろ。
俺と雅紀はカラーズに上がって、代わりにナンバーズに入る２人。
その代わりにお花ちゃんに入る２人。
どきどきがいっぱい」
いっぱいの意味がなんとなく違う気はするが、何故か楽しそうな智を見ているとほっとする。
「ケーキ食べて落ち着こ」
いつもと変わらない笑顔につられる。
コーヒーを入れてケーキを選んで２人で美味しい〜と笑いながら身悶えて……
いつもの雅紀に戻っていた。
ケーキを食べてほっこりすると
「陣中見舞い行こう！」
と雅紀から言い出す。
「あいつらも緊張してるかもしんないしさ」
智に緊張を取ってもらった。
他の４人もきっと緊張してるから智に取ってもらおうと考えたのだ。
きょとんとしていた智だが雅紀の意図が読めて笑顔で頷いた。
「おっ邪魔ぁ〜」
元気にナンバーズの控え室の扉を開く。
「もう出戻りか？」
「早すぎるぞ」
「陣中見舞い！
緊張してる奴いないかなぁって」
１ヶ月前までいた控え室。
なんの遠慮もない。
「やっほ」
のほほんと入って来て目当ての新人ナンバーズに声を掛ける。
やはり緊張した面立ちの２人だったが智のほんわかした笑顔と声に、ほっと息を吐く。
「智！」
そしてどさくさに紛れてニノが抱き付く。
智はその背中をぽんぽんと優しく叩いた。
「智さんっ！」
もう１人の頭も空いてる手で撫でる。
「２人ともめっちゃ緊張してんじゃん」
「仕方ないだろ。
ナイトの横につくのと席について客の相手をするのとじゃ雲泥の差だよ」
優しく新人ナンバーズのフォローを入れる。
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年2月10日 8時
