12 ページ12
壁際のテーブルの上に軽食が置かれていた。
簡単に摘まめそうなものばかりだ。
しかもスイーツやドリンクバーまである。
その時、扉が開きゾロゾロ男たちが入って来る。
彼らがナンバーズ。
「お、智、観念したって？」
「寂しくなるなぁ」
「扉１枚の壁は大きいよなぁ」
「なんで話がもう出回ってんだよ」
声を掛けられながら頭や背中、尻を撫でられ叩かれ、何かと構われている。
それから幾人かが潤の方へ流れて来る。
「君が智をその気にさせたのか」
「凄いな。
ま、これからよろしく」
気軽に声を掛けて各々のロッカーに向かう。
ノリ軽くない？
あっちこっちでわやわやしていて、どちらかと言うと緩い部活？な雰囲気だ。
鏡の前に座り軽口を叩き合いながら自分たちでメイクし髪をセットしだす。
そして全員が制服であるフォーマルなドレススーツに着替えた瞬間、雰囲気が変わった。
それぞれが近くにいる者をチェックする。
「オッケー」
誰かの声に全員がぞろぞろと部屋を出る。
「潤、ついといで」
智に呼ばれ慌てて後を追う。
ナンバーズの控え室を出て、その奥にあるカラーズの控え室に入って行く。
「「おはようございます」」
「おはよう」
智たちもそうだったが、カラーズもまたスーツに着替えただけで雰囲気が変わっていた。
驚く程の圧がある。
潤は思わず智の後ろに移動した。
そこへ扉をノックする音が響き、全員の顔付きがまた変わる。
入って来たのは、普通のスーツを来た男性だ。
「「おはようございます」」
「おはよう。
全員揃っているな……
おまけもか」
勿論、潤の事だ。
男はちらりと潤を見ただけで、視線を皆に戻す。
「先に連絡事項だ。
来年度、メンバーの入れ替わりがある。
クイーン…光一より智へ。
ジャック…剛より雅紀へ。
尚、光一と剛は新宿でバーを開く。
向こうに用事がある時は寄ってやってくれ」
「お待ちしてま〜す」
営業スマイル全開で言った。
「ひよこから和也、和也のややこしコンビがナンバーズに上がる。
おはなの補充は現在、教育中の慶一郎とそこの潤が入る。
間に合わせろよ、智」
「へ〜い」
「以上が連絡事項だ。
そして今日の予定はこれだ」
店を見渡せる窓の前にスクリーンが降りて来て表が映しだされる。
縦に並んでいるアルファベットと数字はナイトだろう。
横は時間、その下に客の名前がナイト事に書いてある。
誰が何時に誰の席に着くか一目でわかる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年2月10日 8時
