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「駄目でも仮のマスターになるといいよ。
俺10年かかったんだよ、パートナー見つけるの。
その間サトシいなかったらGTM乗れなかったんだから」
マスター……ははは〜って笑ってるけど笑えない話だから。
「とりあえず俺のGTMもオーバーホールするから、それ終わってからね。
その頃にはサトシも終わってるだろうし」
マスターの言葉通りGTMのオーバーホールを終えての出発となった。
オーバーホールには僕も立ち会った。
僕が扱うGTMだから……
組上がって行く機体に胸が踊る。
その中で気付いた。
最新型のファティマコックピットが組み込まれている事に……
「マスター……」
「大分古かったんだよね。
途中で替えようって言ったんだけどさ、ちゃんとしたファティマが決まってからその子の為に替えてやれってサトシが言ってたから……」
優しい兄様……サトシ。
昔からそうだ。
僕が欲しいと言えば最初は嫌だと言っても最終的には僕に譲ってくれた。
新型のコックピットもマスターが出会うファティマの為に置いといたんだ……
ショウちゃんに連絡して一度戻る事を伝えてる。
僕たちはサトシの調整が全て終わるタイミングで戻るんだ。
ショウちゃんの館まで後数キロぐらいでマスターがそわそわしだした。
「どうしたんですか、マスター」
「なんかね、チリチリするんだ」
そう言って首の辺りを撫でている。
「モニター注意してて。
チリチリすると嫌な事しかない」
運転する僕の横に来てモニターを睨む。
「ジュンちゃん運転カズナリと代わってくれる。
カズナリ、念のためアシリア準備しといて」
「イエス、マスター。
ジュン様よろしくお願いします」
「わかった。
マサキ、野生の勘か？」
「失礼なっ、騎士の勘だよ」
外で皇太子様とは呼べないのでお名前で呼ぶ事になっている。
そのジュン様の軽口に軽く返すけど、目は真剣だった。
「GTMいつでも出せるようにしといてね」
「はい」
GTM搭乗用アシリアスーツに着替え準備をする。
マスターが自身のコックピットに搭乗すると僕に声を掛けてくれる。
『大丈夫だよ。
君はショウ＝サクライ博士の最高傑作だから、自信を持ってしたいようにすればいい。
自分を信じて……』
柔らかなマスターの声が鼓膜を擽る。
数十年振りの戦闘に我知らず緊張していたようだ。
それを優しく解してくれる……
僕はやれる。
このマスターの為なら……
自分の気持ちを落ち着けていると通信が入る。
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蒼羽(プロフ) - なおさん ありがとうございます。FSS好きな方に出会えて幸せです。お返事遅くなり申し訳やいです。コロナのおかげで普段家にいないのがゴロゴロしてると小説書くだけでいっぱいいっぱいで……お返事まで回りません。 (2020年4月3日 14時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 初めまして、私も嵐もFSSも大好きで楽しく読ませて頂きました。ありがとうございます。確かに戦闘シーンは難しいでしょうが色々読んでみたいです。 (2020年3月28日 23時) (レス) id: 447558596f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年1月26日 23時
