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side 五郎
嬉しくて嬉しくてサブ兄じゃないけど感極まって。
しかも上目遣いで頷くイチが可愛過ぎて愛おしくて……そっと唇を落とした。
落としてから……………俺、何やってんだ！？
って……我に返って……思いっ切り驚いた。
「ゴロ、可愛い〜」
そんな事言ってイチは俺の頭を抱き抱え撫で回した。
逃げたいけど……思いの外力は強いし、何より離れたら真っ赤になってるであろう顔を見られるのが恥ずかしくて逃げるに逃げられなかった。
仕方なく大人しくしてたら頬擦りされるし。
余計赤くなった自覚はある…………勘弁してくれ。
どうしていいかわからず、イチにされるがままでいたら、サブ兄の説教が終わったらしくジロ兄とシロがこっちに来た…………来ないでくれ！
ますます顔が上げられなくなって固まってたらイチが絵の説明をしだした。
俺…………オオカミなんだ。
「て、言うか……北海道と言えばキツネでしょ？
キツネはもうシロしかなかったし、ジロの頬袋見てたらリス決定でしょ？
サブは……羊が頭から離れなかった。
そしたらオオカミはゴロなの。
ゴロが１番しっくりきた」
もしかして…………消去法？
でもまぁ……しっくりきたらしいからいいけど。
少し………………複雑？
それでも…………嬉しい。
絵が貰えた事は勿論……イチがまた描きたいって思ってくれた事が。
何よりそれが俺の言葉でって事が１番嬉しいな。
ずっと色んな事を我慢して来た筈だから、これからは好きな事…して欲しい。
「イチ、ありがと」
翌日……画材屋に行き額縁を買ってそれぞれイチに貰った絵を入れて各々の部屋に飾った。
「今度、リビングや店に飾る絵を描いてよ」
「へっ！？
そ、それは恥ずかしいよ」
「リビングは家族全員の絵がいいな。
ちゃんとイッちゃんも入れてよ！」
サブ兄の提案に皆が同意する。
「それ、１番恥ずかしい奴！！」
「えぇ〜、描いてよぉ」
「描いて欲しい〜」
「お願い、イチ！」
「イチくん、皆こう言ってるんだから描いてよ。
俺からもお願いします」
ジロ兄に習って皆で頭を下げた。
「わかったよ、描けばいいんでしょ！
でも直ぐには無理だよ。
まだ頭に何にも思い浮かばないから」
「うん、気長に待つよ」
「楽しく描いて欲しいしね」
そう……楽しく描いて欲しい。
昔のように………
幼い日……いつだって鼻歌歌いながら描いてたよね。
俺らも一緒になって歌ってた。
………思い出したよ。
つづく
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蒼羽(プロフ) - 青黄赤緑紫LOVEさん» コメントたくさんとお気に入り登録ありがとうございます。うちの三男さんはどっちも１番美味しい所取りしてると思います。実は変幻自在な子として位置付けてます。のんびりとしたお話なので、息抜きにほっこり読んで下さい。これからもよろしくお願いします！ (2021年12月16日 12時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
青黄赤緑紫LOVE(プロフ) - これからも蒼羽さんのペースで構いませんので更新、楽しみに待ってます。 (2021年12月15日 15時) (レス) id: 3c812bd8e4 (このIDを非表示/違反報告)
青黄赤緑紫LOVE(プロフ) - 仕事と家事の合間に息抜きを兼ねて引き続き読ませていただきます。先月からお気に入り作者登録させていただいています。 (2021年12月15日 15時) (レス) id: 3c812bd8e4 (このIDを非表示/違反報告)
青黄赤緑紫LOVE(プロフ) - 話の内容(情景)が鮮明に浮かび舞賀家や五十嵐家を覗き見してる感じでメイン(目線？)感情移入してキュンが止まりません。 (2021年12月15日 15時) (レス) id: 3c812bd8e4 (このIDを非表示/違反報告)
青黄赤緑紫LOVE(プロフ) - 11月中旬頃から『小さな温もりを集めて』を知り一気に拝読させていただきました。五十嵐兄さんズも舞賀兄弟も各々、特徴ある個性を表現されてるからなのでしょうか？ (2021年12月15日 15時) (レス) id: 3c812bd8e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2021年11月10日 11時
