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side 四郎
………………怖っ。
地を這うような低い声。
イチのあんな声……聞いた事ない。
イチに問われても男は頭を垂れたまま動かない。
「俺………謝れって言ったよね？
できないの？」
そういう事ね。
でもさ……こんなにぐるりと囲まれてたら謝りにくくない？
「いい歳こいた大人がさ、明らかにやっちゃいけない事して………幼稚園児でも出来る『ごめんなさい』ができないの？
人も馬も傷つけちゃ駄目だってわかってるよね？
大人なんだもん。
『ごめんなさい』できない方が恥ずかしい事だってわかってんの！？」
辛辣……
「人間なら『ごめんなさい』と『ありがとう』は基本中の基本だよ。
それに犬だって猫だって猿だって反省できるのに、できないの？
幼稚園で習った事、忘れた？
忘れるくらい人に感謝も謝罪もせずに生きて来た？」
普段は余り喋らない癖に……こんなにも言っちゃうんだ。
そんだけ怒ってるって事だよね？
「どうすんの？
できなきゃ……俺、どうするって言った？
実行するよ？
それされなきゃできないの？
ああ〜、恥ずかしい！」
えっえっ、何する気……イチ！
だって男は顔面蒼白になってすごすご動き出したんだよ？
よっぽど怖い事？
男はゴロの前まで来て正座して頭を下げた……
これって所謂……土下座？
生土下座…………初めて観たわ！
「ごめんなさい！」
余程イチが怖い？のか、大の大人が『ごめんなさい』って……『申し訳ございません』とかじゃないの？
でも……イチはまだ激おこだった。
「何に対しての『ごめんなさい』な訳？
言うだけならオウムだって九官鳥だって言えるよ？
何に対しての『ごめんなさい』かちゃんとわかって反省しなきゃ意味ないんだけど？」
「馬を蹴ってごめんなさい！
馬を驚かせて落馬させてごめんなさい！」
もうひたすら……ごめんなさい……だ。
しかも額……地面に付いてるよね？
「ところで……ゴロ。
痛いとこないの？」
「えっ、あ、あぁ……背中？」
不意にイチから振られてゴロがキョドりながら答えた。
「後で病院行こうね」
「う、うん」
ゴロには何時もの優しい笑顔だ……よかった。
でも次の瞬間……男を冷ややかに見た。
「後はここのスタッフさんとお話して？
後々…何かあればここのスタッフさんに連絡するから住所とか電話番号…ちゃんと伝えといてね。
嘘はなしだよ」
ゴロに向けたのとは明らかに違う氷の微笑に俺らも凍り付いた。
絶対イチを怒らせない！
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蒼羽(プロフ) - 青黄赤緑紫LOVEさん» コメントたくさんとお気に入り登録ありがとうございます。うちの三男さんはどっちも１番美味しい所取りしてると思います。実は変幻自在な子として位置付けてます。のんびりとしたお話なので、息抜きにほっこり読んで下さい。これからもよろしくお願いします！ (2021年12月16日 12時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
青黄赤緑紫LOVE(プロフ) - これからも蒼羽さんのペースで構いませんので更新、楽しみに待ってます。 (2021年12月15日 15時) (レス) id: 3c812bd8e4 (このIDを非表示/違反報告)
青黄赤緑紫LOVE(プロフ) - 仕事と家事の合間に息抜きを兼ねて引き続き読ませていただきます。先月からお気に入り作者登録させていただいています。 (2021年12月15日 15時) (レス) id: 3c812bd8e4 (このIDを非表示/違反報告)
青黄赤緑紫LOVE(プロフ) - 話の内容(情景)が鮮明に浮かび舞賀家や五十嵐家を覗き見してる感じでメイン(目線？)感情移入してキュンが止まりません。 (2021年12月15日 15時) (レス) id: 3c812bd8e4 (このIDを非表示/違反報告)
青黄赤緑紫LOVE(プロフ) - 11月中旬頃から『小さな温もりを集めて』を知り一気に拝読させていただきました。五十嵐兄さんズも舞賀兄弟も各々、特徴ある個性を表現されてるからなのでしょうか？ (2021年12月15日 15時) (レス) id: 3c812bd8e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2021年11月10日 11時
