７ 違いたくない ページ7
「じゃあ、天使がなんで俺を殺そうとするの？
仲間になって近付いて」
「ごめん、そこは流石に俺なんかじゃわからないよ。
唯、神は人間に無関心だけど崇拝されないと存在できないってのは聞いてる。
例えどんな神だろうが兎に角神を崇拝してれば無害なんだ……無関心だからね」
「それこそ意味わかんない！
無関心な癖に崇拝しろって？
人々の祈りは欲しいけど慈悲はないって事？
何それ！？
勝手じゃないか」
「創るだけ創って究極の放置プレイだよね」
俊介は肩を竦めて微笑む。
「妖魔は？
妖魔も神に創られたんじゃないの？」
「いいや、神が人や他の動物を創ってる最中の歪みから生まれたのが妖魔だよ。
神が創った者ではない。
勝手に生まれて存在してるんだ。
そして神は黙認している。
神だからね、俺たちの存在を認識してない筈がないんだけどね……」
時に縋った事もあった神。
願いを叶えてくれたと思って感謝もしたのに……全ては夢物語。
「それが何で俺や翔ちゃんを狙うの？
俺、何かした？
普通の人だよ？
総理大臣とか大統領とかじゃないよ？
何で？……何で？……何でだよ……」
無関心なのに何故、自分なんかの命を狙うのか？
しかも仲間を使って……仲間だったのに。
大事な大好きなメンバーなのに……
「それも今日……大ちゃんに聞こう。
きっと教えてくれるから」
「おーーい、そろそろ時間だから行くぞー」
不意に背後から声がかかる。
振り向くとそこにもまた見知った友人の顔があった。
「斗真……」
「風間から聞いてる？」
「……うん、ありがとう」
「いえいえ気にする事ないよ。
了承したのは俺たち自身だから。
でさ、マネさんが来てる。
取り敢えず仕事行こうか」
「…わかった」
ここにも変わらない友の笑顔。
全てが夢のようで夢ではない。
促され支度を整え家を出る……友と共に。
「ずっと側にいるって２人とも顔割れてるのに変じゃない？
幾ら代理がいるって言っても」
最早、疑問が多過ぎて何を質問していいのか、わからなくなっていたが当面の身近な疑問を問う。
「あ、気にしなくて大丈夫。
俺ら気配は勿論、姿も消せるから。
消して側にいるから安心して」
何時もと同じ軽い友のノリ。
安心と同時に訪れる不安。
改めて思い知らされる自分とは違う彼ら。
「生田くん……後方、来てます」
車のハンドルを握るマネージャーからの緊張した声に振り向くと……暁色の大きな翼を広げこちらに向かって来る………天使。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 169人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼羽(プロフ) - みみさん» コメントありがとうございます。妖艶な王様さとさん楽しんでいただけてよかったです。私が書くとほわほわしてしまうので。格好良いさとさん目指しているんですけどね。そう言いつつ格好良いからは少しズレてますが……完読ありがとうございました！ (2021年10月18日 13時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - 完結お疲れさまでした！面白かったです。妖艶な王を想像するのが楽しかったです！ (2021年10月18日 7時) (レス) @page47 id: 6d225d7753 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼羽
| 作成日時：2021年9月28日 2時
