４３ 神との戯れ ページ43
ぎゅっと抱き締め合っただけでライブの最中では、それ以上できず残りのステージを熟す。
皆、それぞれに零れんばかりの笑みを堪えながら……
結果、何時も以上の感動と興奮に胸を踊らせたまま、ステージの幕は降りた。
「大ちゃん…よかったぁ〜！
迷ってた……ベッドに寝てるのに大ちゃんがいるような気はするし……
俺の気の所為なのかなって」
「正解だよ、雅紀」
「智……俺のマネ経由でオーダーに出した５人の振りも貴方だよね？
踊ってて……ずっと感じてた貴方を」
「よく、わかったな……潤」
「人が……妖魔が悪過ぎ？
何時から起きてたんだよ」
「１ヵ月程前か……だが、体が思うように動かなかったのだよ。
踊るのは指示だけ出して、あれにやらせていた」
指差したのは智の代役を務めていた妖魔。
「大丈夫なの、大ちゃん」
「大丈夫だからステージに立った。
まぁ、途中から何時気付くのか面白くはなっていたがな」
妖魔の真髄は忘れない。
「皆、すっごく心配してたんだから、そんな遊びやっちゃ駄目なんだからね！」
「怒るな……そして泣くな。
雅紀の涙には俺とて弱い。
ギリギリまで体が真面に動かなかったのは事実。
追加ダメージもあったのでな」
「何したの？」
あれだけのダメージを食らって、尚且つまだダメージを受けるような事をした？
その言葉に皆は背筋に流れる冷たい何かを感じた。
「何をしたのです？」
翔が堪らず尋ねた。
「神に逢いに行った。
身元を引き受ける了承を得にな」
４人の体が凍り付く。
神に交渉を必要とする者達と言えば今ここにいるメンバーだ。
何度か天に上がっているとは言え妖魔たる身。
交渉相手は絶対なる神。
互いに干渉し合わない間柄だ。
それを敢えて干渉しに行くなど危険行為以外、何物でもない。
「見物だったぞ、神の癇癪。
おかげで灰になるまで太陽で焼かれはしたが。
その太陽の炎に我が魔術を混じえて天を焼き払ってやったがな。
雲と言うのは存外、燃えやすい物であった」
楽しそうに笑ってはいるが決して笑い事ではない。
「大ちゃん…死んだの？」
「死んではおらぬが……
消えた…が死んだと言うのなら、そうなのだろう。
だが、戻って来た」
「うん…うん……よかった。
大ちゃん…信じて待ってたよ」
「ああ…ありがとう。
それに、もう雅紀が神に狙われる事もないし、和も潤も俺の物だ。
手出しはさせぬし、せぬよう神と契りを交わした。
だから…安心して、ここにいればよい」
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蒼羽(プロフ) - みみさん» コメントありがとうございます。妖艶な王様さとさん楽しんでいただけてよかったです。私が書くとほわほわしてしまうので。格好良いさとさん目指しているんですけどね。そう言いつつ格好良いからは少しズレてますが……完読ありがとうございました！ (2021年10月18日 13時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - 完結お疲れさまでした！面白かったです。妖艶な王を想像するのが楽しかったです！ (2021年10月18日 7時) (レス) @page47 id: 6d225d7753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2021年9月28日 2時
