１４ 平たい地球から丸い地球へ ページ14
……………妖魔の記憶には残っていたが……
…………果たして神々の記憶に残っているのか？
その神々が最初に……今ある形の前に創った地球は平らであった。
果てなき果てのある地球。
混沌に包まれた地球。
その裏側の闇の中にある闇の国。
魔術が罷り通った時代が長く続いた。
その間、人間は神を信じ祈り求めていた。
例え顧みられる事がなくとも……
そして多くの時が流れた。
人々は時に神に挑み……時に神を忘れ……
しかし常に何処かで神を称え崇拝していた……様々な形で。
それでも文明が発達し次第に忘れ去られた。
その為か神も己が創り上げた星の生物たちを気にかける事もなくなり…完全に放置していた。
それがある時……人々に飽きたか、人々の何かが気に食わなかったか……不明ではあるが……
神も恐らく覚えてはいない……再び同じ事が起きない限り……
その時、その刹那……神は人類を見限った。
そして地球と言う名の物質にも興味をなくした。
結果…神々は平らな地球を紙屑が如く丸めて捨てた。
それが故……死者の数が余りにも膨大となり死の国に溢れ、死の国にすら行けぬ数多の亡霊たちが地上を彷徨う事となった。
死した者が神の住む天上に迎えられる事はない。
この死の国に下りて来るのだ。
紙屑と化した星に住まう死した命を死の国か全て受け入れるには肉体を持たぬ亡霊たちとて量が多過ぎた。
このままでは死の国すら消滅しかねない。
否……星ごと消滅するであろう……神の意思のまま。
遠くて近い身内……従兄弟にして兄弟である王達が行く末を話す。
『このまま消滅を選ぶか……』
『無となるか』
『神の思惑を甘んじて受け入れるか？』
答えは………………………否。
消滅も無になる事も厭わないが………神々の思惑通りになる事だけは…………否…であった。
宿命を司りし王は人々の合間を通り抜け今ある現実を受け入れさせた。
狂気を纏い狂気そのものの王は人々から恐怖の代わりに狂気を植え付け恐怖を和らげた。
闇の王は混沌と共にその魔術にて地球を丸く丸く形よく整えた。
生きとし生けるものが生きて行く事のできる場所へと。
再び混沌に包み抱き締められた星は消滅する事無く命を吹き返した。
結果……人々は災害災厄から逃れ護られた事を感謝し崇めた…………………神に。
そして人々が地球が丸いのだと気付くのは、それから数千年後。
その頃には地球が平らであった事を知る者は誰もいなくなっていた……
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蒼羽(プロフ) - みみさん» コメントありがとうございます。妖艶な王様さとさん楽しんでいただけてよかったです。私が書くとほわほわしてしまうので。格好良いさとさん目指しているんですけどね。そう言いつつ格好良いからは少しズレてますが……完読ありがとうございました！ (2021年10月18日 13時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - 完結お疲れさまでした！面白かったです。妖艶な王を想像するのが楽しかったです！ (2021年10月18日 7時) (レス) @page47 id: 6d225d7753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2021年9月28日 2時
