４５ 小さな戯れ ページ45
季節は移ろい、時は静かに流れ……巡る。
「……約束してたっけ？」
「気分」
「………そ。
翔さんと潤くんは放ったらかし？」
「あいつらは放置中」
「何したの、２人共」
「雅紀と飲みに行って……その時に今度キャンプへ行こうと言う話になったと告げたら、どっちも煩いから両方、放置した」
「ああ……貴方は相葉さんの約束を最優先するから拗ねてるんだろ、２人共」
「仕方ないだろ？
雅紀の時間は限りある。
その後でゆっくり幾らでも相手してやるって言ってるのにな……………煩い」
１国の主とは思えない彼の拗ね方に和也は吹き出した。
……すっかり人間になり切ってるよね。
……人間として相葉さんに向き合ってるんだ。
……妖魔の戯れって芸が細かい。
「で、俺の所に来た訳ね」
「和は煩くないだろ？」
「確かにね」
こういう時の為の逃げ場所として和也は敢えて口は挟まない。
面倒と言う事でもあるが。
何より最後には役得となる。
時が過ぎて潤は言いたい事をはっきりとしっかりと言い切れるようになった。
逆に翔は数千年生きたとは思えない程、屁垂れと化していた。
真っ向正面から気持ちをぶつける潤にすっかり圧されている。
智は智で言いたい事を言いたいようにさせてはいるが時折、こうして煩くなって和也の元に逃げて来るのだ。
力で黙らせる事もできるのに、そうはせず態と和也の元に逃げる。
「妖魔の王にしては地味な遊びしてるね」
「ふふ…面白くはあるな。
それに派手に遊ぶと後々、面倒な事になる時もある。
それで１度は灰になった」
「……どんな遊びだよ」
「大きな刺激を求めると大きな反動がある。
今くらいが今は心地よい」
「まぁ、明日は５人で仲良く仕事だからいいけどね。
同伴出勤する？」
「そのつもりだが？」
口付けと共に囁く。
本当に質が悪い。
地味だが本気で遊んでいるのだ………この王様は。
「はよッス」
「はよ」
和也と手を繋いで入って来る待ち人を見て…待ち人を待っていた２人は此れ見よがしに盛大な溜息を吐く。
「やっぱりそこ？」
「やっぱり、ここ」
尋ねるとアレンジ鸚鵡返しの答えが返って来る。
「おはよーー！
あ、大ちゃん、昨日渡すの忘れてたスィーツ。
持って来たから食べよ」
「お、食べる食べる」
さっさと和也から手を離し雅紀の元に走り寄る。
そして雅紀の持つ箱を開けて
「マジ美味そう！」
無邪気に燥ぐ２人に溜息を吐く３人。
だが、その眼差しは優しい……
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蒼羽(プロフ) - みみさん» コメントありがとうございます。妖艶な王様さとさん楽しんでいただけてよかったです。私が書くとほわほわしてしまうので。格好良いさとさん目指しているんですけどね。そう言いつつ格好良いからは少しズレてますが……完読ありがとうございました！ (2021年10月18日 13時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - 完結お疲れさまでした！面白かったです。妖艶な王を想像するのが楽しかったです！ (2021年10月18日 7時) (レス) @page47 id: 6d225d7753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2021年9月28日 2時
