１ 壊れた絆 ページ1
何が起きた？
何が空を斬った？
何故、頬が熱い？
その頬に流れるのは何？
視線の片隅に映る紅石を纏った白銀のそれは何？
そして……それは何故、目の前の小さな背中から生えているの？
その人は何故、同じく紅石を纏う白金のそれを握り締めているの？
一瞬の出来事だった筈なのに……今はストップモーション。
時が止まったように動けない。
……動かない………動かせない。
「翔！
雅紀を連れて行け。
我が城、闇の城へ」
「えっ、でも貴方は？」
「相手は神の使者。
これは神々の余興。
付き合ってやるまで」
「でも相手は…２人」
「それがどうした？
俺は誰だ？」
「……我が君……我が王」
「ならば案ずる事は何もない。
おまえは彼を連れて行くだけ」
「御意…」
穏やかではあるが有無を言わせぬ静かな迫力を帯びた声に促され、翔は今だ状況がわからず動けないままの雅紀を抱えて夜の窓より飛び出し闇に消えた。
それを追おうとする２人を止める。
「追わせはせん。
聞きたい事もあるしな」
白金の剣を離し１歩２歩と下がる事によって、その身を穿いた白銀の剣を抜く。
「さて…潤、和。
折角今まで仲良くやって来たと言うのに、何故このタイミングで剣を抜いた？
それも雅紀や翔に向けて……」
『神の命により邪な意志を持つ者を狩るだけ』
『同じく神の領域を犯し自然の理を覆し邪な意志を持つ者に加担する者を狩るのみ』
意識に直接響く声。
「言葉すらないと。
意志のみ……か。
それでも言葉だな。
数分前まで人の言うところの仲間に突然、剣を向けるとは……面白い」
そう言うと身を翻す。
その身を闇色の衣に包んで。
「相手をしてやろう。
余をどうにかせねば、彼らの元に辿り着けん。
さりとて……ここでは狭過ぎる。
表に出ようか……建物を壊すなよ」
言いながら当の本人は壁を抜け、言われた２人は開いたままの窓から星の煌めきも月すらも姿を隠した夜空に身を踊らせた。
「ほう、美しいな。
夜明け前の空より生まれし天使と空に上がり切った太陽より生まれし天使か……」
『何故、邪魔をする』
『貴様は何者だ』
「本来持つ余の名を汝らが知る必要もなく教える気もない。
汝らに聞かす名は唯一つ大野智のみ
そして汝らが狩る者の名は相葉雅紀と櫻井翔。
狩る汝らの名は松本潤、二宮和也。
その名の意味を思い出せ。
何よりその名を付けたのは誰ぞ？」
『我が身は神の意志そのモノ』
『我らは神より授かりし使命を全うするのみ』
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蒼羽(プロフ) - みみさん» コメントありがとうございます。妖艶な王様さとさん楽しんでいただけてよかったです。私が書くとほわほわしてしまうので。格好良いさとさん目指しているんですけどね。そう言いつつ格好良いからは少しズレてますが……完読ありがとうございました！ (2021年10月18日 13時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - 完結お疲れさまでした！面白かったです。妖艶な王を想像するのが楽しかったです！ (2021年10月18日 7時) (レス) @page47 id: 6d225d7753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2021年9月28日 2時
