１ ページ1
side 五郎
ご近所さんご好意の夕食は俺とイチと潤さんはリビングのソファの上。
折角の囲炉裏の前には行かせてもらえなかった。
確かに人数多過ぎてぎゅーぎゅー詰めだけど。
それに代わる代わる誰が配膳してくれたりお代わりや飲み物まで持って来てくれる。
俺ら……特にイチの体調を気にしてくれてるんだろうって事はわかる。
何せ３人とも額に冷えピタを貼られたままだし。
外したいって言っても俺たち以外、全員一致で却下して外させてもらえなかった。
潤さんまでも貼ったまま。
「明日はこれで雑炊作るか。
魚や野菜のいい出汁が出てるから美味いぞ」
「だね。
潤兄さんは具沢山派？
具は上げちゃう派？」
「具沢山派」
「だよねぇ」
料理談議で盛り上がる２人。
まだ付いて行けない……
「それは俺が作るから。
冷えピタ組は明日も大人しく寝てな。
じゃなきゃ先に帰すよ。
俺、送ってくから」
和也さんが話に入って来た。
手には潤さんへの鍋のお代わりを持ってる。
「明日は大丈夫だと思うけど？」
「たまにはぼーーーと休みを過ごせって言ってんの」
「…………」
「１番苦手な事だってのは知ってるけどさ。
うろうろ出歩きたい派だもんね」
「いや、引き籠もりたいのはおまえだけだからな。
雅紀も翔も出歩くだろ」
「それは否定しないけど、体調が悪い時ぐらいはぐだぐだしときなよ」
「ぐだぐだは嫌だな。
せめてまったり？」
「なんの違いだよ」
「言葉の響きの違い？
なんか雰囲気違うだろ？」
「……くす」
潤さんと和也さんの言い合いが面白くて俺もイチも小さく笑った。
こんな会話を真面目な顔してやってんだもんな。
面白い。
俺たちも、こんな風になりたいよ……イチ。
「五郎くんと智お代わりは？」
「イチはご馳走さまして、俺はさっきサブ兄がトドメの１杯を持って来てくれました」
山盛りのお椀。
これ食べたらお腹いっぱいになると断言できる量。
そのお椀を和也さんに見せる。
「確かにそりゃ、腹いっぱいになるな。
俺ならそれ１杯でいい。
智も持って来られた？」
「ううん、俺のはシロがちょうどいいくらい持って来てくれた」
少食同士加減はわかってるみたいでシロが入れて来た量がイチには適量だったようだ。
「そっか。
少しは食べれたんだね」
「うん、おうどんとお野菜とお魚も入ってた」
「折角、皆で釣ったんだもんな。
食べないと」
「うん、美味しかったよ」
浮かべた微笑みは本当に嬉しそうだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 249人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼羽(プロフ) - みみさん» コメントありがとうございます。暫く兄さんずはお休みの予定ですが、舞賀兄弟にメロメロ？にされているので兄さんたちの方が寂しくなって何かしら理由を作って会いに行く可能性は高そうです(笑)なんのエピソードも今は浮かんでませんが…ぴょんと出て来るかも…です。 (2021年8月8日 19時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - しほりんさん» 初めまして＆コメントありがとうございます。折角お楽しみ頂いていたのにお兄さんずお休みに入る予定で申し訳ないです。でも潤兄は両方の店で常連さんなので、顔出しに行くと思います。潤兄には智くんがコーヒー入れるかもしれません(笑)お楽しみに…… (2021年8月8日 17時) (レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - 第4章完走お疲れ様です。楽しく大家族を覗かせてもらってます。時折でいいですから、前に進んでいく舞賀さんが楽しみですが、潤兄達も登場させてくださいませ。 (2021年8月8日 9時) (レス) id: 6d225d7753 (このIDを非表示/違反報告)
しほりん(プロフ) - 蒼羽さま、初めまして。楽しく読ませていただいております。五十嵐兄弟の登場で益々興奮しております。潤兄さんとイチくんの甘々なカラミをもっと読みたいです。 (2021年8月7日 20時) (レス) id: eb7fd14e54 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼羽
| 作成日時：2021年7月17日 2時
