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side 五郎
俺の腕にぎゅっと引っ付くイチ。
ずっと小刻みに震えている。
「すまない……五郎くんが落ちた瞬間を見てなかったんだ」
助手席に座る潤さんが謝った。
まだぼんやりする意識を総動員して、その時の記憶と状況を思い出す。
あの時……潤さんはサブ兄が釣った魚を外してた。
その時、俺は今日１番の大きな当たりが来たんだ。
かなりの大物だと……俺も浮き足立ってたと思う。
それに、もう何匹も釣ってるし余裕だと思って舐めてた。
そこに大きな波が来て船も大きく揺れた。
あっ……と思った時には俺の体は海に放り出されていた。
胸から水面に落ち、強か胸を打ち付けた。
息が止まる程に。
慌てて息をしようとした時にはもう水の中で、逆に海水を思いっ切り吸い込んでしまった。
………そこから記憶がない。
次にあったのは潤さんのどアップ。
その間の記憶がない。
「俺は見てなかったが智は見てたんだろう。
君が落ちたであろう水音を聞いた時にはもう飛び込んでた。
一瞬の躊躇もなかったみたいだ」
イチ……
少しは躊躇してよ。
自分の事も大事にして。
……体調も完全じゃなくて昨日だって崩したのに。
そんなんで海に飛び込んでいいわけないだろ。
震えるイチを俺が安心したくて抱き締めた。
病院で診察してもらって、俺もイチも特に問題ないって事で直ぐに帰れる事になった。
でも……
「……イッ…クッチッ」
小さくて可愛いけど、くしゃみ……だよな。
風邪ひいた？
海に飛び込んだんだもんな。
俺はぜんぜん大丈夫なんだけど……イチは本調子じゃなかったからか。
「これ、掛けとけ」
潤さんがブランケットを渡してくれた。
それでイチの体を包み抱き締める。
その温もりが気持ちよくて俺も知らない間に眠りに落ちていた。
何やらゆらゆら揺れてて……
なんの揺れなんだろう…？
気持ちいいような気もするけど落ち着かなくて、ゆっくり瞼を開く。
そこには……潤さんに続いて今度は雅紀さんの顔がなり得ない程、近くにあった。
起きた意識で自分の体勢と揺れとで……姫抱きされてる事に気付いた！
………なんで！！
「あ、起きた？
起こしても起きないからさ、取り敢えず家の中に入れようと思って運んでる最中」
起きないから姫抱きで運ばれてるって事！？
……はっ…恥ずかし過ぎる。
「お、降ります！」
「もう着くからいいよ。
どうせ智も潤兄が姫抱きしてるし、お揃い！」
いや、そんなお揃いはいらないから！
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蒼羽(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。本当に内容は考えてないです。彼らが勝手に動くんで、それを文章にしてるだけなんです。なのでこの先はどうなるか私もわかりません。他のお話はオチとイベント幾つかは考えて書き出してたんですが…今回は全くなしです。 (2021年7月8日 21時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 楽しく読ませてもらってます(*＾▽＾*)海に落ちてもイチくんは本人ケロっとしてそうだなぁとか海に落ちたゴロくん大丈夫かなぁ??とか五十嵐兄弟もしっかり者の潤兄を中心に動いてるから潤兄が風邪とかでダウンしたらどう動くのかな？とか想像しながら読んでます☆彡 (2021年7月8日 9時) (レス) id: f4ca038df0 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - butazch715413さん» コメントありがとうございます。楽しんで頂けて幸いです！書いてる私も楽しいので…お話の方は彼らの動くに任せているので私自身どうなるかわかってませんけど…これからも楽しんでいただけるよう、彼らに付いて行きたいと思います。これからもよろしくお願いします。 (2021年7月7日 19時) (レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
butazch715413(プロフ) - もぅ大好きです、このお話は、特に大好きで、更新 楽しみにしてまっす＼(_ _) (2021年7月7日 8時) (レス) id: 1ffa2632ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2021年6月24日 1時
