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side 二郎
産まれて初めて乗る船。
しかも大きな客船とかじゃなくて大きめ？な漁船。
ちょっと？……揺れる。
なのに…三郎ははしゃいでるしイチくんは五郎と一緒に船主で某有名映画の名シーンを再現し気持ち良さ気に風を受けている。
乗り物酔いしやすい四郎は逃げたしな。
そして俺は……動けない。
「何してんの、ジロちゃん」
「動き回るな、余計に揺れる！」
「そんなに揺れてないよ。
もしかして怖い？」
「こ、怖くねぇし」
「じゃあ、いいじゃん」
三郎が無邪気…に声をかけて来るけど。
なんでスキップをするんだよ。
マジ、揺れるだろ！
「どうした、ジロ」
気が済んだイチくんが優しく声をかけてくれる。
だけど怖いなんて格好悪い事は言えず言葉を探していると。
「えっと、え…と」
「絶好調にビビって安定のヘタレ発動してるんだよ」
どんな説明だよ、三郎！
無邪気っぽく言うな！
「相変わらずだね、ジロ兄」
五郎、視線が痛いよ。
「ジロ、酔った？
酔って気持ち悪い？
戻ろうか？
戻ってシロと留守番しとくか？」
……優し過ぎるよ、イチくん。
そんなに優しくされたら恥ずかしくて言えないよ。
船が揺れてて落ちたらどうしようって気になって怖いなんて……
「イチ……ジロ兄は船が揺れて怖いだけだよ。
酔ってもないし気持ち悪い訳でもない」
……きっぱり言い切ってくれて、ありがとう五郎。
「じゃあ…やっぱり戻ってもらって下りる？
下りてシロと留守番しとく？」
どうしてもそうなるのね。
「そうなったら五十嵐の兄さんたちの誰かにジロ兄を別荘に送ってもらわないといけないよ。
そんな事、頼める？」
「タクシー呼んでもらう」
いやいや、そんなお金勿体ないよ。
それに酔った訳でも気持ち悪い訳でもないんだし。
……怖いだけだから。
それに…そうなるとイチくんも戻る事になるだろ？
こんなに楽しそうなのに。
ダメだめ駄目！
「じゃあ、仕方ない。
イッちゃん、手を握ってあげたらジロちゃん怖くなくなるよ……単純だから」
ナイス、三郎！
余計な一言は聞き流してやる。
「そんなんでいいの？」
「それがいい！
それでぜんぜん大丈夫！」
「じゃあ、はい」
キュートな笑顔とともに差し出された細くしなやかな手をそっと握る。
「こんなんで本当に大丈夫？」
「充分だよ」
充分過ぎるよ。
この細い手にどれだけ力が貰えるか……
横からの鋭い視線はこの際、無視させてもらう。
その奥の苦笑も。
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蒼羽(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。本当に内容は考えてないです。彼らが勝手に動くんで、それを文章にしてるだけなんです。なのでこの先はどうなるか私もわかりません。他のお話はオチとイベント幾つかは考えて書き出してたんですが…今回は全くなしです。 (2021年7月8日 21時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 楽しく読ませてもらってます(*＾▽＾*)海に落ちてもイチくんは本人ケロっとしてそうだなぁとか海に落ちたゴロくん大丈夫かなぁ??とか五十嵐兄弟もしっかり者の潤兄を中心に動いてるから潤兄が風邪とかでダウンしたらどう動くのかな？とか想像しながら読んでます☆彡 (2021年7月8日 9時) (レス) id: f4ca038df0 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - butazch715413さん» コメントありがとうございます。楽しんで頂けて幸いです！書いてる私も楽しいので…お話の方は彼らの動くに任せているので私自身どうなるかわかってませんけど…これからも楽しんでいただけるよう、彼らに付いて行きたいと思います。これからもよろしくお願いします。 (2021年7月7日 19時) (レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
butazch715413(プロフ) - もぅ大好きです、このお話は、特に大好きで、更新 楽しみにしてまっす＼(_ _) (2021年7月7日 8時) (レス) id: 1ffa2632ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2021年6月24日 1時
