３０ ページ30
side 四郎
なんなんだろ、この光景。
五十嵐舞賀家長男ずは、あーんされる事に躊躇ない。
甘えたいのか？
でも……そうなのかも。
どっちも年子の弟たちがいてさ。
まだ１歳にしかなってないのに母親の意識は直ぐ下の弟に向く。
その後、ぽんぽんと年子の弟たちが産まれて来て母親の意識はどんどん下に向いて行く。
特に俺たちは双子だ。
自分が甘えるよりも弟たちの世話に駆り出されてたかもしれない。
ばあちゃんがいたとしてもだ。
１歳になった時から自立するしかなかった？
物心ついた時には弟の世話が当たり前になってて。
俺らが少し大きくなったら一緒に遊んで……だから母さんはじいちゃんを手伝い出して。
衝撃の事実を聞いてからは甘える事をきっと許さなくなったんだろう。
家族の中にいて１人で生きてたんだ。
だから甘える事も甘やかされる事も知らない。
きっとイチは……あーーん……の意味もわかってないかも。
でも潤さんが躊躇ないのには驚いた。
普通に口開けて食べてるし。
そう思って見てたら……視線を感じたのか潤さんがこっちを見て……目が合った。
「……どうした？」
「えっ、あ…あーんされて気にしないんだって思ったんで」
気になったし正直に聞いてみた。
「ん、ああ、これな……癖だな。
昔から翔に食べさせてたり用事してたりすると雅紀が俺の口にスプーンを放り込んで来てたんだ。
お手伝いのつもりかな？
家の事や翔の世話してると自分の事が疎かになるからだろうな。
見かねた雅紀が俺に食べさせてくれるようになったんだよ。
それが今でも口に持って来られると無条件に開けてしまう」
なんともハートフルな話。
「だってさ、母さん忙しくていないし。
俺も和兄も食べ終わって翔も潤兄が食べさせて終わりかけてんのに、その潤兄のご飯が減ってないんだよ。
だから俺が潤兄に食べさせてた。
俺が１番食べ終わるの早いしね」
「……そう言えばジロもそんな事してくれた事あったな。
でも山盛りスプーンで掬うから俺の口に入らなくて上からかぶりついたら怒って泣き出した」
……ハートフルな話の後、ジロ兄……恥ずかしいよ。
確かにイチの口は小さいもんな。
でも子どものジロ兄にはわかんないか。
１口で食べてくれないのが腹立ったんだ。
子どもだから仕方ない？
「その後、ジロとサブがお互い食べさせ合ってた。
どっちも１口が大きいからちょうどよかったみたい。
凄く楽しそうだったよ」
ハートフルは完全に消えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 244人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼羽(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。本当に内容は考えてないです。彼らが勝手に動くんで、それを文章にしてるだけなんです。なのでこの先はどうなるか私もわかりません。他のお話はオチとイベント幾つかは考えて書き出してたんですが…今回は全くなしです。 (2021年7月8日 21時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 楽しく読ませてもらってます(*＾▽＾*)海に落ちてもイチくんは本人ケロっとしてそうだなぁとか海に落ちたゴロくん大丈夫かなぁ??とか五十嵐兄弟もしっかり者の潤兄を中心に動いてるから潤兄が風邪とかでダウンしたらどう動くのかな？とか想像しながら読んでます☆彡 (2021年7月8日 9時) (レス) id: f4ca038df0 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - butazch715413さん» コメントありがとうございます。楽しんで頂けて幸いです！書いてる私も楽しいので…お話の方は彼らの動くに任せているので私自身どうなるかわかってませんけど…これからも楽しんでいただけるよう、彼らに付いて行きたいと思います。これからもよろしくお願いします。 (2021年7月7日 19時) (レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
butazch715413(プロフ) - もぅ大好きです、このお話は、特に大好きで、更新 楽しみにしてまっす＼(_ _) (2021年7月7日 8時) (レス) id: 1ffa2632ff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼羽
| 作成日時：2021年6月24日 1時
