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一緒に来た術師が土鬼と樹鬼を呼び出し安全を確認する。
『降りて大丈夫だ』
土鬼の声に俺たちは直ぐに降りると既に土鬼は入口を塞ぐ岩や土砂を退けていた。
『火薬の匂いがする』
「！！」
風鬼の言葉に全員が愕然とする。
こんな所に火薬？
『我々を敵に回した。
お前はどうする？
道連れとなるか、切るか』
「道連れは御免だが、何故こんな馬鹿な事をしたのか聞きたい。
でも今は２人の救出が先だ。」
『全ての加護を失った今、この霊峰から出る事は叶わない。
終わった後、聞けばいい』
「ああ。
風鬼、大宮に応援を頼んでくれ。
どうだ、２人の様子はわかるか？」
櫻塚の当主は風鬼との話を終わらせ、土鬼に尋ねた。
『かなり奥まで崩れている。
山の崩壊ごと止めなければならなかったから彼らの命を守るのが精一杯だったようだ』
「そんなに？」
『この祠は自然の洞窟を使って作ったものだ。
それを爆発すれば山まで崩れるとは考えもせずに……』
「何故そんな事を！」
『人間とは欲に弱いものだ』
感情の見えない冷めた声だった。
そんな人間ばかりじゃない。
だけどそんな人間がいるのも事実……
「命を守るのが精一杯って事は無傷ではないって事なんだな？」
翔さんの声も冷たく響く。
そうだ…そういう事だ。
その時、大宮からの応援が着いた。
櫻塚の当主が早急な救出を指示して行く。
どうしたって土鬼、土姫に頼るしかない……
『どうにか人が通れるだけの道筋は作れた。
急いでくれ、長くはもたない』
「完全に崩壊すると言う事か？」
『そうだ。
理由は後で説明する。
だから今は……』
「風鬼、行け。
２人を大宮まで安全に運び出すんだ。
お前たちは先に大宮へ戻ってろ」
先に戻る？
ここまで来てどんな具合かも見れずに？
「山ごと崩れるかもしれん。
ここに一度下ろすより直接、大宮まで運んだ方が安全だ。
だから先に戻って待ってろ」
…わかってる。
人数入ると危険だって。
でも、直ぐに行って確認したい。
顔を見たい。
無事な顔を……
風となって祠であった場所に入って行く風鬼を見送るしか出来ない自分が口惜しい。
不意に両肩に感じた手の温もりは同じ思いを抱いている人たち。
そうだ。
俺だけが悔しいんじゃないだ。
「２人が大宮に着いたのを見届けて俺たちも一斉に撤収する。
いいな、行け」
「和也さん、こちらへ」
既に櫻塚から指示を聞いているのか大宮の術師が声を掛けて来た。
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蒼羽(プロフ) - ともさん» ありがとうございます。処女作と言う事で文章回しが少々？固かったかな？ですかね、申し訳ないです。その後は慣れるに従って改善できてると思いますが……思うだけで自信はないですが。そんな拙い文章でも楽しんで頂けて幸いです。これからもよろしくお願いします。 (2021年2月7日 18時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。ちょっと難しい内容？でしたが思いっきりのめり込んで一気読みしちゃいました（笑）ゆっくり一語一句噛み締めるように読み頭で想像しながら。とっても面白かったです。めっちゃ素敵なお話で楽しかったです。 (2021年2月7日 17時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - だんごさん、応援ありがとうございます。とっても励みになります。拙い作品どすが、気に行って頂いて嬉しいです……これからも地味に頑張すので、よろしくお願いします。 (2020年1月26日 15時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
だんご(プロフ) - はじめまして、こんばんは。お疲れ様でした!このお話凄く好きだったので名残惜しいです( ；∀；)短編集、楽しみにしています!頑張ってくださいヽ(^o^)丿 (2020年1月26日 1時) (レス) id: 40480d6916 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2019年12月24日 0時
