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和と翔さんもニヤニヤしてる。
…そうだよっ！
俺が持って行くと思ってたよ。
だからきょとん顔してたよ。
誤魔化すように雅紀に剣を渡した。
受け取った雅紀は真剣な顔をして、俺の肩を軽く叩いた。
雅紀……緊張してる？
いつもと違う智の様子に…？
智が着ている白装束は俺たちの物とは違う。
……女物？
それよりも動かない雅紀が気になって雅紀の肩を軽く揉んでみた。
同時に和の手が雅紀の背中を撫で、翔さんの手が頭を撫でた。
雅紀はほっと息を吐き、ニカッと笑った。
何時もの笑みに俺たちも声を出さずに笑う。
俺たちに頷いて雅紀は智の元に歩いて行く。
その横には闇鬼が寄り添っていた。
何時もの今風な服じゃない。
時代劇に出て来るような漆黒の衣装だ。
雅紀が智に剣を差し出す。
受け取った智の横には闇姫がいた。
漆黒に銀色の糸で刺繍をした着物を着ている。
受け取った剣を見て智と闇姫が微笑んだ……
……何時もの智に有り得ない妖艶な笑み……
なんだ、これは……
雅紀と闇鬼が俺たちの方に戻って来たのを見て、智が笑みを浮かべたまま剣に口付けた……
それが合図であったかのように、姫たちが智から出て来る。
それぞれの名に因んだ着物を着た姫たちが智の周りを舞いだした。
そして智も剣を持ったまま舞う。
剣舞……
月明かりの下、カラフルな１０人の姫たちと白装束の智が舞う。
舞う智の視線の先は剣の切っ先。
恍惚とした怪しい笑みを浮かべている。
何時もと違う智の笑み……
それでもあまりの美しさに息をするのも忘れる程だ。
それ程、幻想的な光景……
決して軽くはない鉄の剣が重量を感じさせない程、軽々と智の手によって宙を舞う。
……智から目が離せない。
ふと気付いた。
何時の間にか姫が減っている。
闇姫と雷姫、樹姫がいない。
何処に！？
見回していると花姫が智と共に舞い、剣の中に吸い込まれるように消えた……
これが剣に力を込めると言う事か？
今度は雪姫が智と舞っている。
そして……消えた。
次に風姫が舞い消える。
土姫、炎姫、水姫も……消えた。
最後に残ったのは光姫……
二人の舞いは優雅で厳かだ……
その光姫も又、剣の中に消えた。
一人舞い続ける智。
地に膝まずき月に捧げるかのように両手で剣を高く掲げた。
剣が月明かりを吸い込んだかに見えた瞬間、剣が光輝いた。
その光はやがて目を開けていられない程になった。
光が納まり、目を開くと……
月明かりの下、剣を抱き締め横たわる智がいた。
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蒼羽(プロフ) - ともさん» ありがとうございます。処女作と言う事で文章回しが少々？固かったかな？ですかね、申し訳ないです。その後は慣れるに従って改善できてると思いますが……思うだけで自信はないですが。そんな拙い文章でも楽しんで頂けて幸いです。これからもよろしくお願いします。 (2021年2月7日 18時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。ちょっと難しい内容？でしたが思いっきりのめり込んで一気読みしちゃいました（笑）ゆっくり一語一句噛み締めるように読み頭で想像しながら。とっても面白かったです。めっちゃ素敵なお話で楽しかったです。 (2021年2月7日 17時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - だんごさん、応援ありがとうございます。とっても励みになります。拙い作品どすが、気に行って頂いて嬉しいです……これからも地味に頑張すので、よろしくお願いします。 (2020年1月26日 15時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
だんご(プロフ) - はじめまして、こんばんは。お疲れ様でした!このお話凄く好きだったので名残惜しいです( ；∀；)短編集、楽しみにしています!頑張ってくださいヽ(^o^)丿 (2020年1月26日 1時) (レス) id: 40480d6916 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2019年12月24日 0時
