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『ここの準備は大宮の術師と姫がしてくれた。
でね、この奥にある始まりの術師が鍛えた剣は扱う潤が取りに行って欲しい。
それをこの場で鍛えた直すから…』
雅紀の鬼の中で一番温厚な樹鬼がにこにこと話す。
「ここで？
俺たち素人だぞ。」
『大丈夫。
僕たちがフォローするから』
にっこりと笑っているが剣を鍛えるような環境じゃないんだけど。
鉄を溶かす炉も冷やす水もない。
『取り敢えず取って来て』
樹鬼に促されるままに奥へ行く。
そこには簡易な祭壇のようなものがあり、その上に細長い木箱が置いてある。
これか……？
箱を開けると…見事に錆び付いた細長い鉄の塊が入っていた。
これを鍛える？
素人が？
出来るのか？
『出来るのかじゃない。
やるんだよ』
樹鬼は優しく穏やかな笑みと共に容赦なく言い切った。
箱を持って戻り皆の前に出す。
それを見た和も
「見事な錆っぷりだな」
『作られてから千年以上放置されていたからね。
よく残ってたものだと思うよ。
もうちょっとで破棄される所だったのを姫が慌てて隠したって。
信じられないよね。
ここだって凄い事になってたから大宮総出で大掃除してもらったよ。
大事な祠なのにね』
にこにこ笑ってるが目は笑ってない。
本気で怒ってるだろうな。
『時間がかかるかもしれないけど頑張ってね。
智が戻って来るまでに……』
「何もないこの場所でどうすればいい？」
『潤は兎に角叩いて形を整えればいいから。
後の３人は鬼がいるでしょ。
鉄を溶かすなら炎鬼がいる。
冷やすなら水鬼がいる。
鬼たちの力を使って気持ちを剣に込めてね。
その剣に最後に智が力を込めるよ。
その力に負けて折れないように強く強く……』
相変わらずの優しい口調だが目は真剣そのものだった。
『作り直す時間はないよ。
一発勝負。
潤もしっかり打ち付けてね。
折れないように強くなれと…』
そう言って手渡されたのは１本の小鎚。
これだけ？
『形を整えるだけだから充分でしょ？
全ての鬼の力を使って鍛え上げてね』
「俺、頑張る！」
こういう時、何時だって一番に張り切るのは雅紀だね。
でも今回は雅紀だけが頑張る気でいるんじゃないから。
「暴走しないでよ」
「しないよっ」
「ペース配分とパワーバランスは取らないとね」
「それは翔ちゃんに任せる」
和に突っ込みには返すけど翔さんには任せるんだ。
まぁ後先考えない所あるからね。
「始めていいのか？」
翔さんが声を掛ける。
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蒼羽(プロフ) - ともさん» ありがとうございます。処女作と言う事で文章回しが少々？固かったかな？ですかね、申し訳ないです。その後は慣れるに従って改善できてると思いますが……思うだけで自信はないですが。そんな拙い文章でも楽しんで頂けて幸いです。これからもよろしくお願いします。 (2021年2月7日 18時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。ちょっと難しい内容？でしたが思いっきりのめり込んで一気読みしちゃいました（笑）ゆっくり一語一句噛み締めるように読み頭で想像しながら。とっても面白かったです。めっちゃ素敵なお話で楽しかったです。 (2021年2月7日 17時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - だんごさん、応援ありがとうございます。とっても励みになります。拙い作品どすが、気に行って頂いて嬉しいです……これからも地味に頑張すので、よろしくお願いします。 (2020年1月26日 15時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
だんご(プロフ) - はじめまして、こんばんは。お疲れ様でした!このお話凄く好きだったので名残惜しいです( ；∀；)短編集、楽しみにしています!頑張ってくださいヽ(^o^)丿 (2020年1月26日 1時) (レス) id: 40480d6916 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2019年12月24日 0時
