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『異形が知能を持った事に気付いた時…我々は始まりの術師が託した事を遂行する事にした。
だが…姫１０人に力を分け与える事が出来る術師がいなかった。
そんな中、母親の胎内にいながら力を感じた。
……それが智だ』
母親の胎内からって……
あの人どれだけの力を持っているの？
『待ち望んだ力、然も無属性……
だが陽の術師だった。
しかし異形の成長を止める事も出来ない。
そう遠くない日に然るべき時は来る。
待てなかった……
……だから我々は決断した』
光鬼が言葉を切って大きく息を吐く。
大きな決断だったんだろう……
『陽の術師である智だが姫に守護精霊となってもらい、徐々に姫に馴染んで行って姫を扱えるようにしようと…
産まれたての智に選択など出来ない。
例え彼を歪める事になろうとも始まりの術師との約束を優先した』
たまたまではなく、目的の為！？
なんだ、それ！
あんなに姫たちの事大好きなのに…
なんだよっ！
肩に和と翔さんの手の温もりを感じる。
そっと置かれた手が優しい。
２人に視線を向けると２人とも頷いた。
同じ気持ちなんだね。
『人間との会話を諦めていた我々は、あの時…約束の事しか考えられなかった。
次に我々は陽の術師を探した。
そして見つけたのが雅紀だ。
櫻塚に固執している場合ではなくなっていたからな』
「ああ、気にするな。
櫻塚の自業自得だ」
櫻塚の当主は自身を見つめる光鬼に笑いかけ頷いた。
『智と力と比較し、彼が持てる鬼は７人だった。
１０人では力が弱まってしまうからな。
それから雅紀が持てない後の３人を持ち、力もある術師を探した…』
まさか……
そこまでなのか？
不意に俺の肩にあった手に力が入る。
翔さんも和も同じ事を思ったんだよな。
そんな俺たちを見て光鬼が頷いた……
……否定して欲しかった。
俺たちの出会いにまで姫や鬼の思惑があったなんて……
『確かに探しだした。
鬼が１０人揃い尚且つ力の均等になる人間を。
出会うように画策もした。
我々は当時人間の心など知りようもなかったし知ろうとも思わなかった』
衝撃的過ぎる言葉に怒りや悲しみを通り抜け頭の中が真っ白になる。
『だがな、我々との関係を元に戻し人間の心を教えてくれたのは、智と雅紀だ。
そして姫が育てたが故に智が知りようもなかった感情を教えたのは和也だ。
雅紀の限界まで頑張って傷ついた心を癒し救ったのは翔だろう』
真っ白な頭が温もりにすっぽりと包まれた。
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蒼羽(プロフ) - ともさん» ありがとうございます。処女作と言う事で文章回しが少々？固かったかな？ですかね、申し訳ないです。その後は慣れるに従って改善できてると思いますが……思うだけで自信はないですが。そんな拙い文章でも楽しんで頂けて幸いです。これからもよろしくお願いします。 (2021年2月7日 18時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。ちょっと難しい内容？でしたが思いっきりのめり込んで一気読みしちゃいました（笑）ゆっくり一語一句噛み締めるように読み頭で想像しながら。とっても面白かったです。めっちゃ素敵なお話で楽しかったです。 (2021年2月7日 17時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - だんごさん、応援ありがとうございます。とっても励みになります。拙い作品どすが、気に行って頂いて嬉しいです……これからも地味に頑張すので、よろしくお願いします。 (2020年1月26日 15時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
だんご(プロフ) - はじめまして、こんばんは。お疲れ様でした!このお話凄く好きだったので名残惜しいです( ；∀；)短編集、楽しみにしています!頑張ってくださいヽ(^o^)丿 (2020年1月26日 1時) (レス) id: 40480d6916 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2019年12月24日 0時
