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術師が多いからか特に異形に襲われる事なく離れる事が出来た。
大きな木の根元に智を抱えたまま腰を下ろす。
まだ仕事しているであろう皆の事を思う。
雅紀もかなり疲労困憊な筈だ。
全ての鬼を使ったんだから…
それに異形も結構な数出ていた。
智を１人にする訳にもいかないし、かといって連れても行けない。
ここにいるしかないとわかっていてももどかしい。
それでも疲労から意識を失っている智をしっかりと抱き寄せる。
少しでも温まって欲しい。
……おかしい。
眠ると上がる筈の体温が全く上がらない。
いつもなら眠たくなってくると体温が上がり寝ると湯タンポと化すのに……
冷たいままだ。
何故？
和は寝たと言っていたが違うのか？
安全の為に離れたから和たちの状況もわからない。
どうすればいい？
ぎゅっと抱き締めても戻る気配のない体温に俺の全身も冷たくなっていくような感覚に陥る。
木々に覆われ日の当たらない薄暗い樹海の中、不安だけが募って行く。
せめて日射しだけでもあれば……
でも辺りを見回しても薄暗いだけだった。
ふっと姫の言葉を思い出す。
……いつでも呼んで……
姫に聞く？
駄目だ。
これ以上智に負担を掛ける訳にはいかない。
鬼に聞く？
雅紀は駄目だ。
翔さんも和も今はわからない。
呼んでいいと言われても今の状況では出来ない。
思わず智を抱き締める腕に力を籠める。
いつもより冷たい体温だが、それでも感じる事の出来る胸の鼓動に少しだけ安心したかった。
……なのに……
「智っ！」
明らかに遅い鼓動に俺の心臓の方が止まりそうになる。
なんで！！
「智っ…智っ！」
駄目だ…俺１人じゃ……
皆の所へ行こう。
多少危険でもここにいるよりはマシな筈だ。
智を抱え直し立ち上がろうとした時…
『大丈夫よ…』
目の前に雪姫がいた。
『力の使い過ぎで限りなく仮死状態に近いだけ。
命に別状はないわ。
私も戻るし』
「出てたのか…」
『ええ。
でももう終わるわ…
だから戻って来たの』
雪姫の言葉に体中の力が抜ける。
『もう合流してもいいわよ。
多分迎えに来れないかもしれないから行った方が早いわ』
「ああ、そうする。
ありがとう、雪姫……」
『いいえ……
それより潤にお願いがあるの。
後で大宮、櫻塚の当主とあなたたちと集まって。
智の光姫は出れないだろうから翔の光鬼に話させるわ。
大事な話があるの』
※※※ 明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします ※※※
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蒼羽(プロフ) - ともさん» ありがとうございます。処女作と言う事で文章回しが少々？固かったかな？ですかね、申し訳ないです。その後は慣れるに従って改善できてると思いますが……思うだけで自信はないですが。そんな拙い文章でも楽しんで頂けて幸いです。これからもよろしくお願いします。 (2021年2月7日 18時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。ちょっと難しい内容？でしたが思いっきりのめり込んで一気読みしちゃいました（笑）ゆっくり一語一句噛み締めるように読み頭で想像しながら。とっても面白かったです。めっちゃ素敵なお話で楽しかったです。 (2021年2月7日 17時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - だんごさん、応援ありがとうございます。とっても励みになります。拙い作品どすが、気に行って頂いて嬉しいです……これからも地味に頑張すので、よろしくお願いします。 (2020年1月26日 15時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
だんご(プロフ) - はじめまして、こんばんは。お疲れ様でした!このお話凄く好きだったので名残惜しいです( ；∀；)短編集、楽しみにしています!頑張ってくださいヽ(^o^)丿 (2020年1月26日 1時) (レス) id: 40480d6916 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2019年12月24日 0時
