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「意図して隠したんじゃないかって程ね」
翔さんが苦々しく呟くと和もまた溜め息。
……意図して…か。
確かにここまでないってのも不思議だ。
結局、時が来るまで待つしかないと言う事か…
翌日……
その時は突然やって来た………
和の宣言通り午前中、久々に５人で道場で汗を流した。
昼食後、まったりしながらこの後をどうするか皆で話していた。
……その時…
『『見つけた！』』
突然前触れもなく智から闇姫、雅紀から闇鬼が出て来て同時に叫んだ。
仕事の時、全くと言っていい程出て来ない２人。
その２人が同時に飛び出し叫んだのは同じ内容なのか？
雅紀と智を見ると、雅紀は俯いて、智は闇姫を鋭い目で見ていた。
「見つかったんだね。
何処？」
『富士の樹海。
人が足を踏み入れない最奥……
異界の出入口を読み取れる程の大きさの異形が出て来たわ』
闇姫の最後の言葉に全員に緊張が走る。
大きな異形…
「行こう」
智が立ち上がる。
「和、翔くん…
大宮と櫻塚にも連絡して。
きっと、それだけじゃ済まないから…」
いつもと違う智の様子に和と翔さんは頷いて携帯を取り出した。
それを見てから智は雅紀に向き直り、ぎゅっと抱き締める。
「まぁちゃん…闇くんが見つけた物を見ちゃったんだね。
大丈夫だよ。
俺も和も翔くんも潤もいる。
鬼くんたちも姫ちゃんたちもいるから…」
抱き締めた雅紀の背中をとんとんと叩きながら優しく言う。
雅紀がこんなに動揺する程の異形ってなんだ？
「行ける？」
智に問われて一瞬の間はあったものの頷く雅紀。
「風ちゃん出すよ」
「駄目！
俺が風くん出すから！
さとちゃんは温存してて…」
智の言葉に雅紀は慌てて声を荒げながら止める。
「わかった。
頼むね、まぁちゃん……」
「うん」
雅紀がしっかり頷いたのを確認して皆で外に出る。
雅紀が風鬼を呼び、その風で移動する。
「風くん、出来るだけ近づけて。
様子を見るなんて出来ない。
全力で行くから……
姫ちゃんも鬼くんも闇ちゃん、闇くん以外全部出すよ」
「智くん！」
「取り敢えず今を凌がないと。
今を凌げば後がある」
然るべき時……智は知ってたんだな。
今がその時か……
「今じゃない。
今はまだ先読みの時。
でもこれ以上は駄目なんだ…」
智が俺の腕をぎゅっと握る。
今は先読みの時？
『智、近付いて来たぞ』
風鬼が智に静かに告げた。
その言葉に智は黙って頷く。
それから俺たちを見回して言った。
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蒼羽(プロフ) - ともさん» ありがとうございます。処女作と言う事で文章回しが少々？固かったかな？ですかね、申し訳ないです。その後は慣れるに従って改善できてると思いますが……思うだけで自信はないですが。そんな拙い文章でも楽しんで頂けて幸いです。これからもよろしくお願いします。 (2021年2月7日 18時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。ちょっと難しい内容？でしたが思いっきりのめり込んで一気読みしちゃいました（笑）ゆっくり一語一句噛み締めるように読み頭で想像しながら。とっても面白かったです。めっちゃ素敵なお話で楽しかったです。 (2021年2月7日 17時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - だんごさん、応援ありがとうございます。とっても励みになります。拙い作品どすが、気に行って頂いて嬉しいです……これからも地味に頑張すので、よろしくお願いします。 (2020年1月26日 15時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
だんご(プロフ) - はじめまして、こんばんは。お疲れ様でした!このお話凄く好きだったので名残惜しいです( ；∀；)短編集、楽しみにしています!頑張ってくださいヽ(^o^)丿 (2020年1月26日 1時) (レス) id: 40480d6916 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2019年12月24日 0時
