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そんな２人が作り出す笑顔溢れる癒しの空間。
……なのに。
空に飛び立とうとするマサキの背後からサトシはその背に乗り大きな翼の根元に牙を立てる。
スピードはサトシの方が小さい分早いのだ。
マサキは身を捩り翼を羽ばたかせサトシを落とそうとする。
サトシは落とされまいと牙と爪をより深く食い込ませる。
それでもサトシに食いつかれたままマサキは飛び上がる。
そして空中で回転し背を大地に向ける。
マサキの背に乗せていたサトシの後ろ足が外れ顎の力と爪先のみでマサキから落ちまいと食らい付く。
体を揺すり翼を羽ばたかせサトシを落とそうとするマサキ。
普通なら落ちて無事な高さではない。
サトシの前足が外れる。
羽ばたき動く翼に再度手を掛けるのは難しいようで顎だけでぶら下がるのは限界がある。
そしてとうとうサトシは限界を向かえたようだが最後の力でマサキの翼を食い千切る。
落下するサトシは衝撃を緩和する為に身を丸くするがそこへ容赦なくマサキが体当たりする。
「止めろ、マサキ！！」
「サトシも止めるんだ！！」
どんなに叫んでも２人には全く届かない。
……これが暴走？
誰の声も届かず相手が誰かも認識出来ず傷付け合う事が？
大地に叩き付けられたサトシはそれでも立ち上がろうとする。
サトシが立ち上がるのを待たずにマサキはサトシに突進して行く。
再び飛ばされるサトシ。
容赦なくそのサトシに爪を伸ばした前足を振り下ろそうとするマサキ。
ギリギリで避けたサトシは逆にマサキの首元に牙を立てる。
前足でマサキの首をしっかりとホールドして食い千切らんばかりの勢いでサトシは頭を振る。
そのサトシを引き剥がす為にサトシのその背にマサキは爪を立てる。
マサキの目映い金色の毛もサトシの美しい純白の毛も赤く染まる。
「ふたりとも止めてよ」
ショウの悲しい嗚咽も……
「止めろーーーー」
ジュンの苦しい叫びも……
……２人には届かない。
その時、突然ウォルファたちの遠吠えが響いた。
それも１匹２匹ではない。
何十匹もの咆哮が重なる遠吠え。
頭の中、胸の奥まで響く咆哮。
その声にジュンは胸が締め付けられるような錯覚を起こす。
……なんだ、これは……？
茂みの中から１匹の漆黒のウォルファが現れた。
他のウォルファよりも一回り以上大きい。
それこそマサキと同じような大きさだ。
漆黒のウォルファはじっとジュンを見詰める。
そして見詰めたまま少しずつジュンへと近付いて来た。
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蒼羽(プロフ) - ともさん» いつもありがとうございます。最後は５人でわちゃわちゃをもっとう？に書いてます。悲系とは無理です。読む分には大丈夫なんですが書けません。妄想なんでね、楽しくて幸せな妄想したいです。苦難はセーフと言うか好きですが。乗り越えた後に幸せ…がいいです。 (2021年2月21日 21時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - こんにちは。こちらのお話も…残酷な過去があったけれど最愛な仲間？が増えて生きる意味と幸せを分かち合い強い絆で結ばれた5人。とっても胸アツで楽しかったです。 (2021年2月21日 14時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年11月29日 14時
