19 ページ19
「何、ショウちゃんハグして欲しかったの？」
「ごめんね、気付かあなくて」
謝りながらそれぞれがそっとショウをハグする。
優しく大事そうに。
壊さないように。
マサキは翼でもショウを包みサトシは尻尾でショウの背中を撫でた。
「ごめんね、感極まっちゃうと力入れ過ぎてショウくん壊しちゃいそうで怖いんだ」
「そうそう。
地球人って決して華奢ではない中間あたりの体格してるけどね、俺ら力強いだからね」
「コントロールすんのに時間かかったよね。
あれは辛かったぁ。
いっぱい壊して怒られて」
「終いにはビリビリされて身体中の力が抜けて力入んない状態で持たされてそれを覚えろって毎日それだったもんね」
「この間のあれで思い出しちゃったよ。
何かと言えばビリビリだったもんね」
なんでもない事のように笑って言ってるが聞いてる方がぞっとした。
毎日ビリビリ……電流が流されてた？
身体中の力が抜ける程？
彼らが死なないと言う前提で？
死なないけど痛いし辛いってわからないのか？
死ななければ何をしてもいいと言うのか？
それをどうして笑って言える？
「連帯責任ってどっちかが失敗しても２人でビリビリだったもんね」
「いつもごめんねぇ」
「ううん、マーくんが頑張ってるのは知ってたから大丈夫だったよ」
どうやらマサキの方が失敗は多く連帯責任をサトシが負わされていたようだ。
「なんでそんな事……」
「暴走の連動チップの連動率を上げる為と逆効果になっちゃったけど、出来れば憎み合って欲しかったみたい。
相手を殺した後になんの感情もわかないように」
複雑だった。
確かに憎み合っていれば相手を殺しても自分が傷付く事はない。
でも３人は知ってしまっているから。
信用し合い好きなモノを分かち合ってキャラキャラ楽しそうに笑っている２人を。
それが可愛い事もわかっているから今更そんな無感情な２人なんて見たくない。
それよりもよくぞそんな環境で憎み合う事なくいてくれた事が嬉しい。
それだけ純心な２人なのだ。
だからカズナリは広い世界に連れ出して守りたくなった。
ジュンもショウもカズナリと今は同じ気持ちになっていた。
「俺に何が出来るのかなぁ」
ショウはどうしたって非力なのだ。
地球人の中では非力ではないが宇宙に出てしまえば力自慢な星は幾つもある。
しかも目の前の可愛い２人はこう見えて宇宙最強だったりする。
「じゃあ、頭使えば？
あの２人知恵は付けて貰ってないから」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 102人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼羽(プロフ) - ともさん» いつもありがとうございます。最後は５人でわちゃわちゃをもっとう？に書いてます。悲系とは無理です。読む分には大丈夫なんですが書けません。妄想なんでね、楽しくて幸せな妄想したいです。苦難はセーフと言うか好きですが。乗り越えた後に幸せ…がいいです。 (2021年2月21日 21時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - こんにちは。こちらのお話も…残酷な過去があったけれど最愛な仲間？が増えて生きる意味と幸せを分かち合い強い絆で結ばれた5人。とっても胸アツで楽しかったです。 (2021年2月21日 14時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年11月29日 14時
