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「今からでも遅くないよ。
星を出るなら手を貸してくれるって」
『答えは変わらない。
行きたい者だけ連れて行ってくれ』
「わかった。
そう伝えとく。
ちなみにカイは？」
『俺は残る。
出ない出れない者もいる。
そして密猟者もな。
だから守る』
ショウと同じ顔なのに……
甘く優しい眼差しを持つショウとは違う強く鋭い眼光。
それは矢張ジュンに似ていた。
ジュンの眼光の強さは彼から引き継がれたものなのだろう。
「ところで何故、俺に変身したの？」
話が止まったタイミングでショウが尋ねる。
『あの時点で人の姿だったのはおまえか彼だ。
だが彼は人ではないだろ。
だから変身出来ない。
そうなるとおまえしかいなかった』
カズナリが人でない事を見抜き消去方でショウだっただけなようだ。
「ジューーン。
そろそろ帰っておいでーー」
カズナリが実はまだ固まったままのジュンに声を掛け、固まった体から飛び出した意識を呼び戻した。
「お、俺のお父さん？」
「そうみたいだよ。
その牙はあなたの伴侶のもので間違いないんだよね？」
『ああ、あいつの牙だよ。
思念が微かに残っている』
そう言ってカイは愛おし気に牙を撫でる。
『触れてみろ』
カイがジュンに促す。
母の形見となった牙に触れろと。
実感はないし状況も完全に把握出来ていないし、どうしていいかもわからない事だらけだけど。
そっとその牙に触れた。
ふわりと穏やかな温もりがジュンに伝わった。
優しく強い意思。
紛れもなく母親の深い愛情。
残していく無念。
一目会えた感動。
だが何よりも強く生きろと込められた深い想い。
「か…母さ…ん」
深く染み入る愛情は紛れもない母親のそれ。
育ててくれた母親と何１つ変わらない愛情。
「ジュンもいる？
ネックレスにでも加工しとく？」
「……うん」
「でもサトシ起きるの待ってね」
「ああ、わかってる」
ジュンは触れたそれをそっと握り締める。
その手の中は優しい温もりで満たされた。
『サトシとはあのウォルファであってウォルファでない者か？』
「そう。
ウォルファの遺伝子をベースに色々な遺伝子を組み込まれて造られた人口生命体だ」
『あの翼のある奴もか？』
「マサキね。
ウォルファは入ってないけど。
２人とも人の手に寄って造られた人口生命体だ」
『稀有な事をする。
ウォルファの意思は強い。
しかし色々混じっているせいか、今は安定しているが不安定だな。
いつ崩れてもおかしくないぞ』
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蒼羽(プロフ) - ともさん» いつもありがとうございます。最後は５人でわちゃわちゃをもっとう？に書いてます。悲系とは無理です。読む分には大丈夫なんですが書けません。妄想なんでね、楽しくて幸せな妄想したいです。苦難はセーフと言うか好きですが。乗り越えた後に幸せ…がいいです。 (2021年2月21日 21時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - こんにちは。こちらのお話も…残酷な過去があったけれど最愛な仲間？が増えて生きる意味と幸せを分かち合い強い絆で結ばれた5人。とっても胸アツで楽しかったです。 (2021年2月21日 14時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年11月29日 14時
