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珍しく本人は釣る気はないのか、そのまま３枚に卸して何処からか出して来た皿に刺身にして盛り付けて行く。
「あ、また！
大ちゃん釣れたよ」
魚に引かれる手応えに大ちゃんに振り向き伝えると大ちゃんが笑ってた。
「やっぱすげぇな、相葉ちゃん。
持ってるねぇ」
そう言って網で魚を掬い上げてくれた。
そしてまた針を外して絞める。
で、また餌をセットしてくれて俺に渡す。
「大ちゃんは釣らないの？」
「一昨日釣りに来て大漁だったから今日は相葉ちゃん見てるよ、楽しんで」
一昨日来たのに今日も俺に付き合ってんの？
「大ちゃん、この船どうしたの？」
「レンタル」
「あ、そうなんだ。
綺麗だしとうとう買ったのかと思った」
「買えねぇわ。
維持費も半端ないしプー太郎には持てないよ」
「プー太郎って……」
確かに今はプー太郎だけど。
あなたが望んだプー太郎。
少しは癒されたの？
疲れはとれた？
「１回休憩がてらご飯にしようか？」
何匹か釣ったあたりで、大ちゃんがそう言った。
まぁそれなりの釣果はあるけど。
「はい」
俺用の缶ビールとあなたはノンアル、そして一緒に広げられた幾つかのタッパー。
その中にはお握りとおかず。
唐揚げにサラダ、魚の煮付けに魚のフライ。
一昨日釣った魚かな？
「魚肉ソーセージじゃないんだ？」
「それはおやつ」
やっぱあるんだ。
思わず笑ってしまう。
俺のために大量に作られた弁当。
こんなのまで用意してくれてたなんて。
「ありがとね、大ちゃん」
「おかげさまで時間はたっぷりあるからね」
穏やかに微笑むあなた。
「しっかり食べてよ。
相葉ちゃんのためって作ったらこんな量になったからね」
俺のための大量唐揚げ？
「うまっ」
口に入れるとやっぱり美味しい。
狡いよね。
俺は散々学んで作れるようになったのに。
あなたは我流でほいほい作ってしまう。
「クック先生は偉大だわ」
「何、これクック先生なの？」
「そう。
俺の師匠だ」
いやいや、あなたが器用なんでしょ。
昔からそうだよね。
俺ってどんだけ食べると思われてたのかな？
ってほどあった料理……流石に全部は食べきれなかった。
「ごめん、大ちゃん。
流石に無理だった」
「作り過ぎたか？
相葉ちゃんの胃は無限のような気がしてた」
「いや、それはないよ」
確かにね、一番多く食べてたけど。
「寄る年には勝てません。
年々減ってる」
「相葉ちゃんでもそうか。
無限じゃないんだ」
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蒼羽(プロフ) - 青子さん» 初めまして＆コメントありがとうございます！…もう嬉しすぎます。青子さんのお話もお気に入り入れて何度も読み返させて頂いてます。そんな方からのコメント嬉しすぎます。拙いお話にお付き合いありがとうございます。しかもタニス・リーファンだなんて…頑張れます！ (2021年11月26日 22時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
青子(プロフ) - 今回のラスト、まさかまさかでした。この先があったら、なかなか怖い事になりそう…などと妄想しております。蒼羽さんの作品をこれからも楽しみにしております。モンスターの太郎ちゃん、一郎君兄弟、楽しみにしております。最後にタニス・リーのファンです。 (2021年11月26日 16時) (レス) id: d98076db62 (このIDを非表示/違反報告)
青子(プロフ) - はじめてコメントさせていただきます。蒼羽さんのお話は全部読ませていただいております。毎日の更新本当にありがとうございます。 (2021年11月26日 15時) (レス) id: d98076db62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年11月26日 0時
