カルテ58 ページ10
宏太said
ジャニー「それと。」
隣で、俺よりも何倍もすごい権力と説得力を使っていてくれるジャニーさんは、
また口を開いた。
ジャニー「彼らの保護観察レベルを1つ下げよう。」
またとんでもないことを言っているんだろうか。
あの目の前にいる人たちの顔がどんどん歪んでいく。
ジャニー「彼らは全員二十歳を超えたんだ。
成人男性を必要以上に政府が介入して保護する必要はないよね？」
本当にこの人は、人が死にかけてでも考えられなかった解決策を、
思い付きのように発表するのだからすごい。
ということで、なんて簡単にその厳粛な空気を終わらせてしまったジャニーさんは僕を連れて、
数週間前に来たっきりのジャニーさんの部屋に通された。
ジャニー ｢お疲れ様。｣
スッキリしたような顔でジャニーさんは言うけど、
それに俺は追いついていなくて、
聞きたいことが山ほどある。
でも、それを全て静止するように、
ジャニー ｢YOUを観察員として、
彼らの観察をこれからもお願いするよ。
ただし、ちゃんと弟たちにも頼ること。
もう、こんなことしないで。｣
そういって撫でてくれたのは、俺が袖をまくったままにしていた、左腕。
傷の１つ１つを優しく撫でてくれた。
ジャニー ｢君に大変なことを背負わせてしまったのかもしれない。
僕だけで彼らの意見を全て総とっかえすることはできない。
だから、君の取る手段を待つつもりだったんだけど、
こんなことするなんて、思わなかったよ。
彼らに怒られたんじゃないのか？｣
宏太 ｢あいつらには言ってないんです。
これからも言いません。このことは。
これは、俺がまだまだ未熟だった証として、俺の中で一生後悔し続けます。
あ、でも1人だけ。光にだけは見抜かれました。笑｣
泣いただろ？って聞いてくるから、
はい。と答えた。
今でもあの泣き顔を思い出すだけで、俺も苦しくなる。
大変なことをしてしまったんだと。
ジャニー ｢YOUが観察員としてやることはこれからも変わらないけど、レベルが1つ下がったんだから、
少しは監視も緩くなるだろうし、
YOUの負担も減るだろう。
それに、彼らもYOUの助けになってくれると思うよ。｣
俺は、深々と頭を下げて、
宏太 ｢ありがとうございました。｣
お礼を言って、
静かにその部屋を出た。
その建物から出れば、朝早く出てきたのに、
気づけば太陽がオレンジ色に染まっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 260人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
@saku_ra(プロフ) - 山田くん推しなので、山田くんのお話が読みたいです！お願いします‼️ (2022年9月30日 19時) (
レス) id: b6ea1c7687 (このIDを非表示/違反報告)
あーにん(プロフ) - りほぽんさん» ありがとうございます！！ (2020年5月7日 21時) (レス) id: 2c4af11cee (このIDを非表示/違反報告)
りほぽん(プロフ) - この作品とても好きなので、更新嬉しいです！これからも楽しみにしております！ (2020年5月7日 21時) (レス) id: 4a5502216a (このIDを非表示/違反報告)
あーにん(プロフ) - Aさん» ありがとうございます！！伊野尾ちゃんがメインで頑張ってくれます (2020年5月6日 1時) (レス) id: 2c4af11cee (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 更新ありがとうございます！ 伊野尾くんメインのお話（？）っぽくて伊野尾くん担当なので続きが楽しみで仕方ないです！ これからも応援しています。 (2020年5月6日 1時) (レス) id: 24e73c4584 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あーにん | 作成日時：2020年2月26日 21時
