カルテ2 ページ15
大貴said
コードブルーなんて久しぶりで、
というか新年あけて1っ発目だから緊張する。
と言いたいところなんだけど、正直隣にいる伊野ちゃんの方が心配。
詳しくは分からないけど、
さっきからずっと緊張してるみたいで、手は震えてるし、
呼吸が少し浅い。
大丈夫って聞いてもきっと平気だと彼なら答えるだろうから、
それも聞けないでいた。
《ﾋﾟｰｯﾋﾟｰｯ》
俺のPHSが鳴る。
走りながら通話ボタンを押して、同時にスピーカーにもした。
宏太「大ちゃん。患者情報を言うよ。
患者は広瀬朱里さん、25歳。頭蓋内腫瘍のステージ2。」
大貴「え？ステージ2で開頭オペしたの？」
宏太「そう、脳下垂体前葉あたりで、放射線ではほとんど効果は見られなかったらしい。
ただ、開頭してそっちのオペはほとんど成功したんだけど、
その下に隠れてる腫瘍が見つかって、」
その下？
って
慧「頭蓋底腫瘍。」
まって、それでコードブルーってことは…
宏太「その腫瘍の大きさが肉眼で5センチは超えてる。」
それでレントゲンとMRIに映らないなんてことある？
そう思ったけど、そんなこと言っても始まらないし…
宏太「だから急いで摘出しないといけない。
だから今その腫瘍の検査を大急ぎでしてる。
だから手術を切り返して、」
慧「広範囲頭蓋底腫瘍切除および再建術。」
宏太「そう。そのオペに切り返して、多分その大きさならすぐオペした方がよさそう。
俺と高木もすぐ行く。」
大貴「了解。」
このオペは難易度の高い手術。この病院でできるのは、伊野ちゃんくらい。
俺も立ち会ったことはあるけど、ちゃんとした執刀医として参加したことはない。
通話を切って第3オペ室に向かう俺たち。
大貴「できそう？」
きっと俺はそんなに携わることはできない。
ただ、今の伊野ちゃんに任せるのは少し、心配。
そう思って聞けば、
慧「やるしかない。」
そう答える伊野ちゃん。
でも知っている。顔はいつも通りだけど、
手の震えは止まっていない。
彼の緊張は顔よりも手の方に出るらしい。
息も絶え絶えになっている俺らもオペ室について呼吸を整える。
長丁場になる。
そのことを十分覚悟して、オペ室に入った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 260人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
@saku_ra(プロフ) - 山田くん推しなので、山田くんのお話が読みたいです！お願いします‼️ (2022年9月30日 19時) (
レス) id: b6ea1c7687 (このIDを非表示/違反報告)
あーにん(プロフ) - りほぽんさん» ありがとうございます！！ (2020年5月7日 21時) (レス) id: 2c4af11cee (このIDを非表示/違反報告)
りほぽん(プロフ) - この作品とても好きなので、更新嬉しいです！これからも楽しみにしております！ (2020年5月7日 21時) (レス) id: 4a5502216a (このIDを非表示/違反報告)
あーにん(プロフ) - Aさん» ありがとうございます！！伊野尾ちゃんがメインで頑張ってくれます (2020年5月6日 1時) (レス) id: 2c4af11cee (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 更新ありがとうございます！ 伊野尾くんメインのお話（？）っぽくて伊野尾くん担当なので続きが楽しみで仕方ないです！ これからも応援しています。 (2020年5月6日 1時) (レス) id: 24e73c4584 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あーにん | 作成日時：2020年2月26日 21時
