警視庁特別科学捜査強行犯特捜部 JUMP 2

事件ファイル21 ページ16

裕翔said



ｺﾄｯ



ちぃちゃんをソファに座らせ、テーブルには温かいココアを置いた。





どーしたの？と聞けば、ゆっくり口を開いてくれた。




侑李 「帰り道で、俊くんにあったんだ。




そしたら、また痣が増えてた。


足を....引きずって..歩くほどなのに......」




きっと昔のことを思い出してる。





だって彼は...同じ思いをしてるから。



侑李 ｢連れて来なきゃいけなかったんだ。



じゃなきゃ、俊くんは僕と、僕と同じ思いをすることになるから。｣




小さく震える彼を抱き寄せるようにして、



裕翔 ｢そんなことない。嬉しかったと思うよ。




やっと自分の痛みに気づいてくれる人が現れたんだから。



ちぃちゃんもそうだったんでしょ？｣





ちぃちゃんは頷いた。




侑李 「藁にもすがる思いで、連れていかれる俊くんに僕の連絡先を渡したんだ。



連絡してくれたら嬉しいんだけど。」





裕翔 「またあの公園にいたら、こんどこそ保護しよう。


まだ証拠はなくても、俊くんから話を聞こう？？



だから、ちぃちゃんも俊くんを助けてあげられるようにちゃんと休んで。



あんなところにいて風邪ひいたらどーするの？」




すると、か弱く、


侑李 「1人だと思い出しそうだったから、誰か待ってたんだよ。



宏太や雄也に泊めてもらおうと思って。」





生憎だけど、2人とも家帰る素振りは1ミリも見られなかった、、、とは言えない。




もちろん俺は彼を1人にする気もさらさらなかった。




今彼を1人にしたら、何をしだすか、何を思い出し始めるか分からないから。




裕翔 「はいはい。今日は泊まっていいから、お風呂入ってきなよ。」





そうすると、ゆっくり口角があがって、にこっとした。




単純に可愛い。小さい子みたいだ。





決して犯人にみせるような、ニヒルな知念の笑みじゃなくて、



ちぃちゃんの優しい、子供っぽい笑みだった。




るんるんと今にも言い出しそうなステップでお風呂場に行ったちいちゃんを見送って、



少し寝室を片付ける。




彼が入っても充分にあまる大きさのベットだけど、




その上には服が散乱していて、俺はそれを片付けた。

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