【ウサビッチ】親の罪をかぶった少女 part２ (ページ36)

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病兎注意ページ36

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カンシュコフは泣いているAの頭をそっとぎこちない手つきで撫でた。

「何に、謝ってるんだ…？」

「お、かぁ…さ、ん」

「お母さん…？」

Aはカタカタ震える自分の体を細い腕で抱きしめて床を見つめながら口を開いた。

「わたし、とんでもないことを考えてしまったの

わたしは、お母さんに愛されているのに、お母さんが大好きなのに、優しくて、優しいお母さん。

お母さんは一番大切なひとなのに、一緒にいるだけで幸せなお母さんなのに、幸せだと思わなきゃいけないの…」

そこまで口にして、Aの頭にまたある考えがよぎった。

「(あれ…？どうして幸せだと思わなきゃいけないの……？)」

何故か冷や汗が背中を伝い、頭がずきずきと痛くなった。

「(『しあわせ』って、なに…？)

ふ、ぁ、あぁ……あぅっ」

ずきずきずきずきと痛み出した頭を抱えてAは顔を顰めた。

「A…？A？…っおい、しっかりしろ！どうしたんだ？！」

カンシュコフさんの声が聞こえる。

お母さんの、声、も。

『Aにもお母さんしかいないし、お母さんが大切で、私を心から愛しているだろう？』

うん、お母さんがタイセツで、お母さんをココロカラアイシテル。

「おい…！？おいっ！こっちをみろ！A！っAっ！」

カンシュコフさん、どうしてそんなに泣きそうな顔をするの？

『でもあたしは悪い母親だ。Aのことをぶったり、Aに酷い事を言ったりするんだもの』

ううん、だってそれはわたしのことアイシテルからでしょう？

そう言うとお母さんはニッコリ微笑んでくれる。

ああ、よかった。ちゃんと間違えなかった。

「Aっ？！…A……っ！頼むから、こっちを見てくれ…！返事を…してくれ…っ！」

カンシュコフさん、泣かないで。
お願い、カンシュコフさんが辛そうにしていたらすごく胸が苦しいの。

「カンシュ、コフ…さん」

「っ！！」

泣かないで、そう言おうと思ったけどそれはできなかった。

何故ならカンシュコフさんが私にぎゅっと抱きついてきたからだ。

「カンシュコフ、さん？」

やめて、やめて。またあの気持ちになる。

あったかくて、優しくて、胸がしめつけられる。
目が熱くなって、子どものように泣きわめきたくなる。

「カン、シュ……コ、フ……さ…っ」

もう限界だった。もうこれ以上我慢できなかった。

「ふ、うっ……あっ、うわああぁあぁああん！」

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