【ウサビッチ】親の罪をかぶった少女 part２ (ページ35)

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放心注意ページ35

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「(そろそろでてくるかな…)」

Aが風呂に入ってから、カンシュコフはスープを作っていた。

いらないと言われたのに何故そうしたかは、昨日からなにも食べていないというのは体に良くないだろう、と思ったからだ。

「……で？次は、コンソメ……」

と言えど彼はまともに料理なんか作ったことがなかったので、某料理サイトにお世話になりながらだったが。

「おー…、すげぇな俺。見ながらなら俺主夫になれんじゃね？」

初めて作ったにしては美味しそうに出来上がったコンソメスープを前に、カンシュコフは満足そうに頷く。

「Aおせーな…」

時計をチラッと見て、カンシュコフは呟いた。

実はAが風呂に入ってからかれこれ1時間は経っている。

もしかしてタオルとかどこにあるのか分からないんじゃ…いや風呂出てすぐのとこに置いたからそれはないか。

様子を見に…いやそれはまずい。

Aが心配でいろんなことをぐるぐる考えていると、風呂の方からガンッ、と何か物を落とすような音が聞こえた。

「なんだ…？今の音…」

もしかしたらAに何かあったのかもしれない。

そう思うといてもたってもいられなくなってカンシュコフは風呂の方へと急いだ。

「A？どうした？今、なんか音しなかったか？」

風呂の戸の前でAに声をかけたが、返事は返ってこない。

「A？おい、大丈夫か？」

コンコン、と戸を叩きながら返事を待つも全く返事は返ってこない。それどころかなんの音も中から聞こえない。

もしかしたら、倒れたりしてるんじゃないか…？

「っああくそっ！」

カンシュコフは自分の頭をガシガシかきむしって近くに置いてあったバスタオルを手に取ると、意を決して風呂の戸を開けた。

もし倒れていたら放っておけないし、このタオルですぐにAの体を覆ってしまえば裸を見てしまうこともないだろう。

「A！入るぞ！」

風呂の戸を開けるとすぐ近くにAが床にぺたりと座り込んで顔を覆っていた。

そんなAの裸を見ないようにすかさずバスタオルをAに被せて、カンシュコフはAの肩を揺すった。

「おい！どうしたんだ？！おいっ？！」

「…めん、……なさ…」

「え？」

「ご、めんな…さい…」

「A…？」

Aは顔を覆いながら、きれいな赤い宝石みたいな瞳からぽろぽろ涙を流していた。

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