【ウサビッチ】親の罪をかぶった少女 part２ (ページ34)

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白兎注意ページ34

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シャワーを浴びながら、Aはぼーっと考え事をしていた。

「(どうして皆、私のことを大切にしてくれるんだろう…)」

酷いことを言って毛布を投げつけたのに優しく抱きしめて、頭を撫でてくれた。

サイズが合わないから、と言いつつ好きなメーカーの靴をくれた。

お詫びだと言ってキレイなブレスレットをくれた。

私が望んだわけではないけれど、ﾀﾋ刑になった私を監獄から助けて、匿ってくれた。

……どうしてなんだろう？

どうして、彼らは見返りを求めないんだろう。

見返りを求められない優しさは、少し、怖い。

あの優しくて暖かい……、ずっと見ていたくなるような瞳は、少し怖い。

今までそんなもの与えられたことも、そんな目で見られたこともなかった。

いつもどうしていいかわからなくなって、うまく息ができなくなる。

悲しくないのに目が熱くなって、子どものように泣きわめきたくなる。

でも、嫌じゃない。むしろ…………。

そこまで考えて視線を前に移した時、鏡に映った自分の体が目に入った。

「(……醜い)」

人とは違う髪の色、まるで血のような真っ赤な目、病人のような青白い肌。

……体中にある……消えないアザ……消えない傷…。

Aはコプチェフたちが治療してくれた傷をつぅ…と指でなぞった。

「(傷を治してもらったのは、これが初めてだったかもしれない……)」

そう思った瞬間Aの胸はきゅうっ、と締め付けられた。

苦しいような、嬉しいような、よく分からない感情がこみ上げてきて、Aはおもわず胸を押さえた。

「なに…、これ…」

彼らと接していると、今まで知らなかった感情がよくこみ上げてくる。

その感情はまるでベールのように私のことを優しく包んで、「幸せ」な気持ちにしてくれる。

あの人と一緒にいたときは、こんな優しい気持ちは感じたことがなかった。お母さんといた時は「幸せ」じゃ……

「っ！？」

Aはハッとしておもわずシャワーを風呂の床に落としてしまった。

ガンッ、という音がどこか遠くから聞こえてきたがAはそれどころではなかった。

真っ青になった顔を震える手で覆って目を大きく見開く。

「(わ、たし……今……なにを……？)」

足もガクガク震え、立っていられなくなってAは風呂の床にぺたり、と座り込んだ。

「(…今、……なんて、ことを……考え、て……)」

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