【ウサビッチ】親の罪をかぶった少女 part２ (ページ31)

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灰紫注意ページ31

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「……なるほどね、Aちゃんが監獄にいたときの担当がカンシュだったってわけだ」

「はい。…あのとき、突然Aがいなくなってめちゃくちゃ不安だったけど、無事でよかったっす。……まぁ今はそうじゃないんですけどね」

「うん、でもなんとかなってよかったよ」

そう言ってコプチェフは、カンシュコフが話し合う前にいれてくれたお茶をごく、と飲んだ。

「コプチェフ、ちょっと来い」

「ん？」

今までずっと黙って話を聞いていたボリスが急に立ちあがって廊下の方に歩いて行った。

コプチェフは何だろう、と首を傾げながらもカンシュコフに一言断わってから席を立ち、ボリスを追いかける。

「どうしたの？」

「なぁ…、Aを少しここで匿ってもらわないか？」

「はぁ？！なんで…むぐっ」

「声がデカい！」

驚きのあまり声を荒げて詰め寄ったコプチェフの口を不機嫌そうな顔で塞いだボリスはリビングの方を伺い、声を潜めて話し始めた。

「……俺たちの家の周りは治安が悪ぃからまたこんなことがないとも限らない。

それに、俺たちは夜になっても仕事で帰れねぇ時だってあるしそれ以上の期間家に帰れない時だって珍しくない。その間Aに何かあっても守れねぇ…。

でもその点カンシュん家の周辺は事件なんて起こったためしがねぇし、コイツなら仕事を朝にしてもらえば夜は絶対に帰ってこれる。

それに…Aの事を知ってるって言うじゃねぇか、それならAだって安心だろうし……」

「ちょ、ちょっとまってよ。

確かにカンシュの家の周りは安全だし、もし何かあってもちゃんと対処できるかもしれない、

でもAちゃんのこと知ってるってだけで二人の仲が邪険じゃないとは限らないんだよ？監獄で彼が囚人をたまにいじめてるの知ってるでしょ？」

「……仲は、悪くねぇと思う。じゃなきゃ、あんなに心配したりしないだろ」

ボリスの強い口調に押されてコプチェフは思わず俯く。

二人の仲が悪くない事はなんとなく感づいていた。でも、彼はAを手放したくない。
もちろん彼女の事が心配だという理由が大部分であるが、残りは……。

「……そんなの勝手だよ、ボリスはあの子が心配じゃないの？」

「っ…心配に決まってんだろ…！でも、だからこそ……俺は…」

目を伏せて心底悲しそうな目をしたボリスを見てカンシュコフは言葉に詰まった。

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