【ウサビッチ】親の罪をかぶった少女 part２ (ページ30)

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続々々ページ30

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※少しグロありです。

「お前、Aのこと知ってんのか…？」

驚いたように俺を見つめるボリスさんに頷き返すと、ボリスさんは更に大きく目を見開いた。

「なんで…」

「ボリス！早くAちゃんを！」

固まっていたボリスさんはコプチェフさんの声にハッとして急いで俺の寝室へ向かっていった。
俺もその後を駆け足で追いかける。

そして、寝室に入りベッドに寝かされたAを見て俺の顔の血がサッと引いていくのが分かった。

「ひでぇ…」

思わずポツリと呟いた。鼻につく鉄の匂い。白い肌を汚している赤に俺は思わず顔をしかめる。
Aは鎖骨の下あたりから血を流していた。それも少し深いらしく、血がじわじわとしみ出ている。

よく見ると腕や足にもどこかで打ち付けたような痣がある。

どうして…、なんでAが……。

カンシュコフがぐるぐる考えていると、Aの刺傷の止血をし終えたコプチェフがカンシュコフに向かって口を開いた。

「カンシュ！ごめん、水も汲んできてもらえる？」

「っわかりました！」

今は考えるより動かなくては。

そう思ったカンシュコフはコプチェフの指示通り洗面所へ行き、洗面器に水を汲んできた。

それにタオルを浸して絞り、コプチェフは丁寧にAの体についた血を拭いていく。
ボリスは廊下に出てずっと誰かと電話で話していた。

Aの体を拭き終わったコプチェフは「よし…」と呟いて一息ついた。
それとほぼ同時にボリスが電話を切ってカンシュコフの寝室に入ってくる。

「ボリス、どうだった？」

「ああ、アイツは常習犯で今無事に署についたってよ」

「そっか…」

「あの、」

俯いて二人の話を聞いていたカンシュコフが少し戸惑いがちに口を開いた。
コプチェフとボリスは話を中断させてカンシュコフに目を向ける。

「なんでボリスさんたちはAと一緒にいたんすか？っどうしてAはそんな怪我を…！？」

後半は呻くように言ったカンシュコフを見て、ボリスとコプチェフは一瞬顔を見合わせて頷いた。

「話すよ、…何があってどうして俺たちがAちゃんと一緒にいたのか。

でもその代わり、カンシュも俺たちにどうしてAちゃんのことを知ってたのか教えてくれる？」

「わかりました」

「…ここじゃAが起きちまうかもしれねぇ、場所変えようぜ」

ボリスの言葉にカンシュコフとコプチェフも賛成して、三人はリビングへ移動することにした。

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