【ウサビッチ】親の罪をかぶった少女 part２ (ページ26)

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不眠注意ページ26

コプチェフさんが家を出て行ってから、俺はチラ、と後ろを振り返ってみた。
するとこっちを見ている赤い宝石のような目とかち合う。

逸らすのもどうかと思い、徐々に顔が赤くなりながらもAと目を合わせていると、ニコッと花も恥じらうような可愛らしい笑みを向けられた。

「っっ！！」

急いで顔を片手で覆って隠したが、顔がどんどん赤くなっていくのが自分でも分かった。
うわぁあああ！ダッセェ、俺…！

「(ちくしょう…！なんだよ、なんで笑うんだよ…！)」

「カンシュコフさん…？」

鈴のなるような声で名前を呼ばれて、ドキッと胸が高鳴った。
十代の女子じゃあるまいし、こんなことでいちいち反応したくはないけど勝手にしちまう自分が憎い。

「な、なんだ…？」

「あの、具合が悪そうだけど…大丈夫？」

「え…あ、ああ！何でもねーよ！」

適当に返事をしてリビングに戻る。
テレビでも見て落ち着こうとソファに座ってから、Aがずっとドアの前に突っ立っていることに気が付いた。

「どうした？」

「？」

「こっちこいよ」

「え……」

ぽんぽん、と自分の横を手でたたくと、Aは大きな目をさらに大きく見開いて俺とソファを交互に見た。

「ほら、早くこいって」

「い、いい…の？」

「？何言ってんだよ、ほら来いよ」

俺がそう言うと、Aは酷く驚いた顔をして俺の横に恐る恐る座った。
俺より少し低い位置にあるAの小さな頭を撫でたかったけど、そこは自重した。

これからの生活は少し不安だけど、まぁ何とかなるだろう。
Aに名前で呼ばれる事とか、笑った顔見るとか……いつかは慣れるだろうし、うん。大丈夫だ、それまでに俺が我慢できれば大丈夫だ。

よしっ、と気合を入れた彼は、一時間後、寝てしまったAが自分によりかかって来て一晩一睡も出来なくなるなんて夢にも思っていなかった。

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